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鎌倉アカデミア創立70周年記念祭 伝説の「寺子屋大学」未来につなぐ

1948(昭和23)年6月、鎌倉市と大船町の合併祝賀パレードに参加した在校生たちが鎌倉大仏の前でポーズをとる。自由な校風がうかがえる一枚(写真提供=鎌倉市中央図書館)

1948(昭和23)年6月、鎌倉市と大船町の合併祝賀パレードに参加した在校生たちが鎌倉大仏の前でポーズをとる。自由な校風がうかがえる一枚(写真提供=鎌倉市中央図書館)

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 鎌倉の光明寺(鎌倉市材木座6)で6月4日、戦後すぐに開校したもののわずか4年で廃校となった「鎌倉アカデミア」の創立70周年記念祭が開かれる。

移転が決まり最後に全校生徒がそろっての記念撮影。「寺子屋大学」と呼ばれたゆえんでもある仮校舎だった光明寺の山門の前で(写真提供=鎌倉市中央図書館)

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 同校は終戦翌年の1946(昭和21)年5月、鎌倉大学校として開校。空襲で焼け野原となった都心から離れた平和な街の学び舎(や)には、志の高い若者や教授陣が集まったという。寺を仮校舎としたため「寺子屋大学」とも呼ばれた。文学科、産業科、演劇科の3科でスタートし、2年後に横浜市戸塚区(現栄区)小菅ヶ谷に移転し映画科も創設された。しかし、財政難のためわずか4年半で廃校となった。

 その間の卒業生は約800人。俳優の加藤茂雄さんや高松英朗さん、作家の山口瞳さん、放送作家でタレントの前田武彦さん、作曲家のいずみたくさん、映画監督の鈴木清順さんなど、その後の日本の文化に影響を与えた卒業生も多い。

 同イベントは同校の歩みを振り返り、その存在を後世に語り継ごうと企画された。当日は書院で「学びの原点をたずねて」と題した講演と座談会、卒業生による「思い出の授業を再現」、若者を交えての座談会「鎌倉アカデミアから未来の学びの種を蒔(ま)く」を開く。

 午後は本堂に会場を移し、同寺僧侶による声明(しょうみょう)念仏、卒業生が創立した人形劇団「ひとみ座」による公演などを行う。フィナーレの鎌倉市民混声合唱団によるコーラスでは、当時歌われていた「鎌倉アカデミア学生歌」を初披露する。

 開山堂では「鎌倉アカデミア回想展」「劇団ひとみ座人形制作者・片岡晶作品展」を開く。

 実行委員の小泉親昂さんは「講演、人形劇、コーラス、展示などさまざまな催しがあるので多くの方に足を運んでいただきたい」と話し、「アカデミアとは何だったか、当時を知る人たちが振り返り、その後は若者たちが加わり今後どのように生かしていくかを話し合ってもらう。当時のような熱い議論になれば」と期待を膨らませる。

 開催時間は10時~17時30分。参加費は1,000円(小中学生は無料)。

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