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鎌倉の古書・雑貨店で「活版カーニバル」 活版印刷機でワークショップも

「つるぎ堂」のマトリョーシカをモチーフにしたカレンダーを手にする店主の荘田賢介さん

「つるぎ堂」のマトリョーシカをモチーフにしたカレンダーを手にする店主の荘田賢介さん

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 古書や雑貨を扱う鎌倉の「books moblo(ブックスモブロ)」(鎌倉市大町1)で3月1日、活版印刷によるポストカードや小物を集めた「活版カーニバルvol.4」が始まった。

19日のワークショップでは活版印刷機を使って、用意した6枚のポチ袋に自分の名前を印刷する。インクはシルバー。所要時間は10分~30分で参加費は1,600円

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 活版印刷は印刷技術の原点といわれ、「活字」と呼ばれる鉛でできた文字を一つずつ拾って組み、インクを付けて凸版部分を紙に押し印刷する手法。長く印刷の主流だったが、写植を使ったオフセット印刷やDTP(デスクトップ・パブリッシング)の台頭で現在は業者の数が激減している。

 一方で活版ならではの温かみある仕上がりやアナログ感、レトロ感などが注目され、古い機材を使って独自のペーパーアイテムなどを制作する業者も現れている。今回出展しているのもそんな7組。祖父の残した9ポイントの活字と印刷道具で物語性のあるポストカードなどを制作する「九ポ堂」、植物をモチーフに小さな活版印刷機でポストカードやグリーティングカードを制作する「botaniko press」、そのほか「Tokyo Pear」「ADAN Letterpress」「まんまる○」「つるぎ堂」「Bird Design Letterpress」。

 同店店主の荘田賢介さんは「いずれも手を動かしているのは若い世代であることが共通点。機械も手法も古く堅いイメージだが、現代に合わせたデザインや色使いで魅力的なアイテムを生み出している」と話す。

 店内にはポストカードをはじめグリーティングカード、メッセージカード、しおり、カレンダーなど大小さまざまなペーパーアイテムが並ぶ。

 3月19日には「ポチ袋名入れワークショップ」を開く。「Bird Design Letterpress」が用意する手動の活版印刷機を使い、参加者が正楷書四号の漢字か平仮名で自分の名前を組んで袋に印刷する。

 荘田さんは「活字で組み上げた古書との親和性もあり、本がどんな行程でできてきたのかを知ってほしいと考え企画した。かつての印刷にはたくさんの人の手が関わっていたがその仕事も失われつつある。そんな中でも頑張っている若い人たちがいることも伝われば」と話し、「今後も読むだけの本にとどまらず、さまざまな角度から本にまつわるイベントを開いていきたい」とも。

 営業時間は10時~18時。月曜定休。27日まで。

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