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鎌倉「御成遺産」シンポジウム 旧講堂と旧図書館の保全活用考える

1936(昭和11)年に建てられた旧鎌倉図書館。解体が決まっていたが昨年方針が転換され保存活用に動き出した

1936(昭和11)年に建てられた旧鎌倉図書館。解体が決まっていたが昨年方針が転換され保存活用に動き出した

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 「『御成遺産』の保全と活用を考えるシンポジウム」が1月31日、鎌倉市中央図書館(鎌倉市御成町20)3階多目的室で開かれる。主催は「図書館とともだち・鎌倉」と「御成小講堂の保全活用をめざす会」。

昭和12年にはヘレンケラーも来校し講演を行った旧講堂。老朽化が進んでいるため幾度となく保存か解体かで論議されたが昨年保存が決まり、現在は屋根も吹き替え中

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 保全活用が決まった御成(おなり)旧講堂と旧鎌倉図書館をよりよい形で次世代につないでいくために、多くの市民が関心を持ち考えるきっかけになればと企画した。これまで御成小に隣接していながら別々に取り上げることが多かった2つの建物と御成小正門も含めた「御成遺産」として捉えた初めてのイベントとなる。

 旧講堂は1933(昭和8)年、鎌倉御用邸跡に開校した御成小学校と同時期に建てられ、伝統的様式と洋風を融合させた独特のデザインが特徴。1936(昭和11)年築の旧図書館は、関東大震災以後の図書館のほとんどがコンクリート造りなのに対し木造で、閲覧室と書庫が一体となっている珍しい設計だという。

 当日講演するのは、作新学院大学教授の小黒浩司さんと鎌倉の別荘地時代研究会代表の島本千也さん。小黒さんは「旧鎌倉図書館と御成旧講堂をどう活用するか?」と題し、全国各地の活用事例なども含めスライドを交えて紹介する。島本さんのテーマは「鎌倉の別荘文化と『御成遺産』」で、エリアを鎌倉に絞って歴史的な文化価値を考える内容。

 それぞれの講演後の質疑応答のほか、参加者が自由に意見を交わす全体討議の時間も用意する。

 事務局の阿曾千代子さんは「2つの建物を含めた一帯は景観としても価値が高い。未来に向けての保全と活用を、行政と市民が一緒に考える場をつくりたかった。ただ、どうしても熱心な市民だけの集まりになりがちなので、今回は誰もが参加できるようわかりやすい内容を心掛けた」と話し、「駅から会場までの道のりに『御成遺産』があるので、当日はゆっくり眺めながら来場を」と呼び掛ける。 

 開催時間は13時~16時30分。参加費は資料代として500円。申し込み方法はフェイスブックページで確認できる。

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