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大磯「旧吉田茂邸」再建・公開へ 2009年に焼失、資料から忠実に再現

庭園から本邸へのアプローチ。近代数寄屋(すきや)造りのシンプルモダンな外観が見える

庭園から本邸へのアプローチ。近代数寄屋(すきや)造りのシンプルモダンな外観が見える

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 2009年に焼失した大磯町の旧吉田茂邸(大磯町国府本郷)が再建され4月1日、大磯町郷土資料館別館として一般に公開された。

写真などをもとに再現された食堂「ローズルーム」。設計は近代数寄屋建築で知られる吉田五十八だが、内装は総じてアール・デコ的であるといわれている

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 吉田茂は1946(昭和21)年~1954(昭和29)年に通算5期にわたり内閣総理大臣を務め、戦後の政治や経済の復興に寄与した政治家。1945(昭和20)年から亡くなる1967(昭和42)年まで大磯に住んだ。

 同邸は1884(明治17)年に養父の吉田建三が建てた別荘をもとに、首相時代に建築家・木村得三郎の設計により応接間棟などが、昭和30年代には建築家・吉田五十八(いそや)の設計で増築や改築が行われた。首相引退後の1979年には当時の大平正芳首相と米国のカーター大統領による日米首脳会談が行われ、政界引退後も政財界の要人たちが「大磯詣で」と称し訪れるなど、その後も重要な存在だった。

 敷地面積は約3万3000平方メートルで本邸をはじめ来賓用客室やお堂などが建っていたが、2009年3月に原因不明の火災で本邸が全焼した。この事態を受け同町が「大磯町旧吉田茂邸再建基金」を立ち上げ寄付を募り、2015年に再建事業が始まった。焼失前の写真や資料をもとに応接間棟、玄関、食堂、新館などをできる限り忠実に再現したという。総工費は5億4,000万円。

 3月26日に開かれた落成記念式典には孫の麻生太郎副総理兼財務相をはじめ、菅義偉官房長官や黒岩祐治神奈川県知事なども出席し、同邸の再建を祝った。

 開館時間は9時~16時30分(入館は16時まで、庭園は17時まで)。月曜休館(月曜が祝日の場合は火曜休館)。入館料は、大人=500円、中高生=200円、小学生以下無料。

 国道1号線を挟んで北側に位置する県立城山公園内の大磯町郷土資料館では同邸の落成を記念して5月7日まで、「吉田茂―その生涯と大磯」展が開かれている。開館時間は9時~17時(入館は16時30分まで)。入館無料。

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