今年で5周年を迎える江ノ島の音楽イベント「UMISAKURA MUSIC FESTIVAL」で9月11日、タバコフィルターで作られたカヌーが相模川から江の島まで旅をするドキュメンタリー映画「あなたの心が流れる先に」が上映される。
たばこカヌーのドキュメンタリー映画「あなたの心が流れる先に」ポスター
2005年より江の島中心の湘南エリアをきれいにしようと立ち上がった「海さくら」が主催する同イベント。ゴミ拾いを中心に、活動に賛同するアーティストによる音楽イベントや、江の島の環境問題を伝える「海さくらフリーペーパー」などを手がけている。ゴミ拾いを始めた当初、拾っても減らないゴミの7割が川の上流から来ることを知り、「川のゴミは街から、街のゴミは人の心が出すもの。人の心に届かないとタツノオトシゴがいた昔の江の島の海に戻すことはできない」と、川の上流にも活動範囲を広げていった。
カヌーは、海さくらスタッフやボランティアが集まり、1年近い期間を経て完成した。木製カヌーの外側に保護用シート、新聞紙などを貼り、樹脂で固めて型をとった。木製カヌーを外した後、ゴミ拾いで集まったドラム缶1個分ほどのタバコフィルターを貼りつけ、再び樹脂で固め、長さ4メートル、幅1メートル、重量50キロの2人乗りのタバコフィルターカヌーが完成。デザインは田中恒介さん、製作指導にカヌー工房NAKADAの中田賢一さんが参加した。
俳優・山下徹大さんが監督を務め、海さくらがプロデュースしたドキュメンタリー映画は、ゴミ拾いからカヌー製作、相模川から江の島へ川下りする様子を撮影したもの。「実際に我々がゴミとなり、ゴミのルートを下って映像として伝えたら、映像を見た人が何かを感じ取ってくれるのでは」(海さくらスタッフ)という思いから制作したという。「不可能といわれていた挑戦でも、みんなで力を合わせればできるということを見てもらい、もっと大きな海をきれいにする挑戦も不可能ではないと思ってくれたら」とも。
同イベントの参加料は、前売り=4,000円、当日=4,500円(コンサート、映画上映料含む)。同イベントでの上映後、DVD化して学校やさまざまなイベントで上映・講演会を開いていく予定。カヌー本体は希望があれば貸し出す。