鎌倉・小町通りの商業施設「こもれび禄岸」に9月23日、釜揚げうどん専門店「鎌倉みよし」(鎌倉市雪ノ下1、TEL 0467-61-4634)がオープンした。
出店したのは、都内で約10年間そば店の仕事に携わり27歳で自身の会社「美淑」を世田谷区内に設立した長瀬睦さん(38)。社名と店名は、長瀬さんが現在の仕事に就くきっかけをくれた祖母、美淑さんが飲食店を経営していたこともあり、「その思いをつなぐ気持ち」で名付けた。鎌倉での出店は「祖母の墓参で鎌倉を良く訪れていたが、散策途中に気軽に入れて手ごろな価格でおいしい和食が楽しめる店があまりないことから決めた」と話す。
店舗面積は10坪。席数は15席。「コミュニケーションを大切に、手打ちの釜揚げうどんを提供したい」と客席はすべてカウンター・スタイルにした。
看板メニューは「釜揚げうどん」(680円)。うどんは前日に仕込んで1日寝かせ、ゆでる直前に生地を延ばして切る。「うどんも生き物。打ちたて、作りたてが最もおいしい」と長瀬さん。ゆでた麺を水で締めずに釜からそのまま丼に盛って提供する。ウルメイワシと昆布をメーンに4種のカツオを加えてとるだしは、「香りよりも、まず味を大事にしている」という。
そのほかのメニューは「ざるうどん」(680円)、「鶏汁うどん」(850円)、釜揚げうどんに鎌倉野菜の天ぷら盛り合わせが付く「天釜うどん」(1,000円)、「天ざるうどん」(1,000円)、「胡麻豆腐」(350円)など。「麺前酒」として「黒帯」(450円)、「宝剣」(550円)、「十四代」(800円)などの日本酒をそろえる。酒やビールには、タコの粕漬けやアマダイのみりん干しなど、日替わりの酒肴を付ける。客単価は1,000円前後。地元客、観光客の割合はほぼ半々。
長瀬さんは「お客さまとの距離感、メニュー、考え方など、自身の価値観をそのまま出しているので共感してもらえたらうれしい」と話す。「この店で感情の伴う思い出を作ってもらえたら」とも。
営業時間は11時~16時30分(土曜・日曜・祝日は18時まで)。月曜定休。