葉山・一色海岸に7月9日、野菜ソムリエが手掛けたメニューを提供する海の家「松/MATSU」がオープンした。
オーナーは、雑誌や書籍の企画制作や商品開発を手掛ける編集プロダクション「プランニング アドゥ」(藤沢市)を経営する玉井惠さん。「日本の塩100選」(旭屋出版)、「相模湾のうまいもん」(東京書籍)などの執筆で地元漁師に取材をするうちに、地元の豊かな食材を紹介したいと3年前に魚料理をメーンにした同店を開いた。
後に、地野菜の生産者とも取材で話ができる知識を身につけるため、2009年にジュニア野菜ソムリエ、昨年には野菜ソムリエの資格を取得。「昨年受けた試験では、大学受験以来の猛勉強をした」と玉井さん。今夏、海の家としては初めて日本野菜ソムリエ協会認定レストランに認められた。
玉井さんを含む1~4人の野菜ソムリエが常駐し料理を手掛ける同店。席数はカウンターを含め約100席。使用する食材は、三浦・葉山・湘南エリアの生産者から直接仕入れた新鮮な地野菜と、地元で獲れた海の幸がメーン。塩は、伝統的な製塩法で作られた伊豆大島の海水塩「海の精」を使用。「塩角のない、まろやかでやさしい味」で野菜や魚との相性が良いという。プリーツレタスやルッコラなどのサラダ用野菜は、陽だまり農園(相模原市)の完全無農薬野菜を使用するほか、冷凍食材や化学調味料などは一切使わず、ソースやマヨネーズなども自家製のものを用いる。
提供するのは「ワインに合う、あまり知られていない野菜や新しい切り口の野菜料理」がメーン。主なメニューは、色の異なる3種のジャガイモ、ノーザンルビー(紅色)、シャドークイーン(黒紫)、キタアカリ(黄)をソテーした「ローズマリーポテト」(600円)、パプリカ、オクラ、ヤングコーンなどを閉じ込めた「夏野菜のテリーヌ」(800円)、何時間も煮込んでペースト状にしたパテを、海藻入りのフィッセル(フランスパン)に付けて食べる「豚肉のリエット」(1,000円)など。「ピクルス」(500円)は、キノコは黒酢、パプリカはラズベリービネガーなど、野菜に合わせたピクルス液に漬けたものを盛り合わせて提供する。
ワインは、グラス=500円、ボトル=2,800円~、スパークリング=3,500円など。赤・白・スパークリングでグラスを変えて提供する。ほかに、アメリカ生まれのロハスドリンク「IZZE(イズィ)」(500円)なども用意する。
「来店客から『海の家で食べられる料理ではない』と言われるのがうれしい」と玉井さん。「天気に恵まれた日には富士山と夕日も見られるこの場所で、ワインとともに地元食材を使った料理を楽しんでほしい」とも。
営業時間は11時~23時(土曜・日曜は10時~、フードは11時~)。8月28日まで。期間中、野菜ソムリエによるイベントも予定する。