藤沢市亀井野の六会日大前駅東口周辺で8月20日・21日、恒例となった夏の風物詩「湘南ねぶた」が開催される。
「祭りを通して人々の心を燃えさせ、健全なエネルギー発散の場を作り、人と人の心が通い合う温かい地域社会を作り出す」ことを目的に、今年で15回目を迎える同イベント。例年の人出は2日間で約7万人。
開催のきっかけは1995年、地域の長老が「このあたりにはなかった、道路を通行止めにするような大規模な祭りを開催しては」との投げ掛けが始まり。当時、湘南地域振興会役員を務めていた大久保隆さん(現・湘南ねぶた実行委員会会長、地域活性化協議会理事長)が、かつて聞いて印象に残っていた「ねぶたばやしの律動と音色」を思い出し、青森県出身の同会役員・佐藤さんの次兄の尽力により1997年に初開催にこぎ着けた。
4~5基あるねぶたのうち最大のものは幅約6メートル、高さ約4メートル。下絵は関東に在住しながら長年、青森県篠田町のねぶたの下絵を描き送ってきた高杉忠詔さんが制作。東日本大震災が発生した今年は、災害に負けないとの意味を込め「不撓(ふとう)不屈」をテーマにした。キャラクターをデザインしたものなど小さなねぶたは、地元有志が地域の子どもや大人とともに作り上げる。一部に振動力発電を取り入れたLEDによるエコねぶたも登場する。
両日とも18時30分からねぶたばやしの演奏を始め、40分から出陣セレモニーを行い、19時から21時までねぶたを運行。六会日大前駅東口ロータリー、国道467号線、市道立石湘南台線を練り歩く。10時から屋台が開店するほか、ヨークマート六会店駐車場ではステージイベントも予定。
「世の中は舞台に立つ人だけで成り立つものではなく、それを支える人が必要。ねぶたの準備から催行までの体験を通じて、青少年が目に見えない部分の大切さを肌で感じ、社会の成り立ちを学ぶことでその後の人間形成の一助になれば」と大久保さん。「後進を育て上げ、いずれ表から湘南ねぶたを見てみたい」とも。