「湘南国際マラソン」が11月3日、開催された。二宮町と藤沢市・江の島間の海岸沿いを走る同マラソンも今年で6回目。走者は2万1043人で、フルマラソンには1万6256人が参加した。文字通り北海道から沖縄まで全国からランナーが集結。10~80代のランナーが参加し、フルマラソンでは78歳の男性が最高齢だった。
各種目が順次スタートした9時ごろの気温は20度。うす曇りで富士山は顔を出さず、江の島がぼんやり見える程度。応援者には過ごしやすい天気となったが、「ランナーにはちょっと暑いかも」と大会関係者。それでも、「走っているときに海の匂いがして気持ちよかった」と話すのは、山口県から参加した田村晃史さん。「各所にいろんな栄養食がそろっていて良かった。疲れを気にせず走れた」とサポート面での充実ぶりに好印象を持ったという。
今回は、東日本大震災の復興支援も兼ね、参加料の一部やランナーの走行距離に応じて募金も実施。大会主催の平塚市と災害協定を結ぶ宮城県石巻市からランナー3人も招待した。そのうちの1人は、大会内でのイベントで「被災地はまだまだ復興とは程遠い」と実情を語り、「皆さんの励ましだけで頑張れる。声を掛けてほしい」と呼び掛けた。
ゲストには団長の徳光和夫さんをはじめ、間寛平さん、はるな愛さんが応援団として参加。エリック・ワイナイナ選手と千葉真子さんがゲストランナーとして10キロマラソンを完走した。エリック選手は「参加した皆さん。本当にお疲れさまでした」と流ちょうな日本語でランナーを慰労した。
フルマラソンで優勝したのは、2時間25分48秒でゴールした厚木市の村戸雄輝さん(31)。最近婚約した友人に祝福の気持ちを込めて走ったというが、「来年は自分の婚約祝いとして走ってくださいね」と徳光さんが突っ込みを入れる場面も。女子の部は、2時間55分17秒を記録した静岡県富士市の村松夏子さん(35)。「フルマラソンで優勝したことはあまりないのでうれしい」と、ベテランらしい感想を残した。
男性が圧倒的多数を占めるフルマラソンやハーフマラソンに比べ、10キロマラソンには男女ほぼ同数でそれぞれ2000人以上が走った。初参加や友人と一緒という声も多い。横浜から来たママ友同士という古田幸代さん、渡辺久美子さんもその1人。「子どもがいると自分の体調管理が難しい」と苦労を語ったが、2人とも無事に完走。「練習では10キロ走れたことがないので夢みたい」と笑顔を弾けさせた。
今年から「地元先行枠」と「外国人枠」を新設。「外国からも大勢のランナーに参加していただき、湘南色はもちろんますます国際色豊かなマラソンにしていきたい」と実行委員長の河野太郎衆院議員が抱負を語り、大会を締めくくった。