鎌倉・光明寺本堂(鎌倉市材木座6)で12月3日、フリーダイバー篠宮龍三さんと登山家の栗城史多(くりきのぶかず)さんによるトークライブ「to the year 2012:一歩を超える勇気、限界を超える」が開催される。
「人類の歴史を揺るがすような」東日本大震災の発生により、「見えない明日」にどう向き合っていけばよいのか、との問いかけを踏まえて企画された同イベント。「世界一深い海に潜る男と世界一高い山に登る男」の対談で、「暗い海で何を見いだすのか」「見えない山をどう登るのか」をテーマに、先の見えない時代を乗り切る「心のスイッチを押すヒント、心の壁を取り払い一歩踏み出す勇気」につなげてもらうことを目的に開く。
1976(昭和51)年埼玉県出身の篠宮龍三さんは、映画「グラン・ブルー」のモデルとして知られるフリーダイバー、ジャック・マイヨールさんの記録を抜いたアジアトップのダイバー。世界で5人しか成し遂げていない115メートル無酸素ダイビングの記録を持ち、国内唯一のプロ選手として国際大会を中心に参戦。競技の傍ら、スクール開催や大会運営、海洋保護を訴えるイベントプロデュースも手掛けている。
1982(昭和57)年北海道生まれの栗城さんは、単独無酸素登頂にこだわるアルピニスト。ヒマラヤの「チョ・オユー」「マナスル」「ダウラギリ」など、8000メートル級の山々の単独・無酸素登頂に成功。「勇気と感動を世界中でシェアしたい」との思いから、無酸素登頂をエベレストからインターネットで生中継し話題になった。全国各地で講演活動も行う。
「目指したのは『感動の共有体験』」と話すのは、同イベントを企画したピクチャーズデプト(葉山町)の汐巻裕子さん。会場も舞台と客席に分かれた大ホールではなく、「伝える側と受け手の距離が近く、皆で膝を付け合わせて話を体験できる寺の本堂」を選んだ。
対談は、篠宮さんが9月にギリシャ世界選手権で世界一を目指すチャレンジを、栗城さんが10月にエベレスト登頂のチャレンジを、それぞれ終えたばかりのタイミングで行う。「2人とも今回は残念な結果に終わったが、大成功後の帰朝講演よりも、失敗をバネにする話の方が聴く側にとって身近で貴重なはず」と汐巻さん。篠宮さん、栗城さんとも世界遠征が多いためスケジュール調整が難しく、「こんな貴重な機会はこれからもめったにない」という。
トークに参加する篠宮さんは「山と海の極限のフィールドで、命懸けで得たものを皆さんと共有できたらうれしい。この激動の一年を振り返り来年への希望をつなぎたい」と話す。
開催時間は14時~15時30分(13時30分開場)。入場料は4,500円。チケットはチケットぴあで販売中。