小田急線鵠沼海岸駅近くに11月9日、ハード系を主力に約70種のパンを提供する店「BOULANGERIE BONHEUR(ブーランジェリー・ボヌール)」(藤沢市鵠沼海岸2、TEL 0466-31-0330)がオープンした。
豊永さんが手掛けたハード系パン一例。奥は「白神こだま酵母のバゲット」
店主は豊永博さん(30)。18歳で老舗ベーカリー「ドンク」に入社。5年目に製造責任者となり、引き抜きで埼玉県春日部市の「ポンデザール」へ。店舗立ち上げに携わり製造責任者を務め、店を軌道に乗せた後、夫婦で独立を果たした。出店先は鎌倉などでも探していたが、「鵠沼海岸商店街の雰囲気」が気に入り、「自分が作りたいハード系のパンが好まれる土地柄」であることから同地を選んだという。
店舗面積は約16坪。店名の「ボヌール」はフランス語で「幸せ」を意味する。店舗は大工である父の照生さん(59)と2人で手掛け、食パンをモチーフにした看板は妻の真規さんが考案。白とブルーの塗装を施した外観は「あまりパン屋らしくない」店構え。一般的なパン店のように陳列棚に上下段を設けず、棚の位置を高めにすることで一並びに全てのパンを見渡せるようにしたり、オーブンを店内から見える位置に配置したりすることで「ライブ感」を持たせた。購入したパンをその場で味わえるイートインカウンター(4席)も設け、コーヒーを無料で提供。ランニング帰りに軽い朝食をとる人もいるという。
豊永さんが1人で焼き上げるパンは常時約70種。主な商品は、白神山地で発見された酵母を使った「白神こだま酵母のバゲット」(260円)、ニンニクとオリーブオイルを練り込んだ「オリーブと松の実のフランスパン」(180円)などのハード系のほか、イタリアの「チャパタ」(220円)などの食事パン、天然保湿成分トレハロースの働きで翌日でもパサつかない「食パン」(1斤280円~)、「れん乳スティック」(160円)、「焼カレーパン」(180円)、「ショコラ・キャラメル・ココ」(200円)など、幅広い商品をそろえる。カレーやカスタードクリームなど、パンに仕込むフィリングも手作りしたもの。
豊永さんは「店を開く前のリサーチで、この地域はハード系や食事パンなど自分が作っていきたいパンのおいしさをわかってくれる人が多いと感じた。パンだけで『ごはん』になるような本格的なパンを焼き、ファンを増やしていきたい」と意気込む。
営業時間は8時~19時。火曜定休。