鎌倉市・長谷寺(鎌倉市長谷3)で1月26日と2月22日、「大森仏師が案内する工房と長谷寺の仏像特別拝観」イベントが開催される。鎌倉市とJTBがタイアップして企画する体験型ツアー「みんなの鎌倉遠足」企画の一環。
仏像の製作や修復を行う仏師であり、長谷寺の美術顧問も務める大森昭夫さんは1951(昭和26)年山形県の鶴岡市生まれ。同郷の宮大工に誘われて上京し、総持寺(横浜市鶴見区)の仁王像製作に従事。その後、全国各地の仏像・大仏製作や修復を手掛け、1991年に独立した。1992年に長谷寺の十一面観音菩薩(ぼさつ)の修復を担当し、1995年から長谷寺の美術顧問を務めている。
イベントでは、最初に鎌倉市笛田にある大森さんの工房を訪ね、製作中の仏像に関する話や仏師ならではの苦労、エピソードなどを聞く。「お寺の方ではなく、作り手に直接話を聞ける。同じ仏像でも、いつもとは違って見えてくるかも」とJTB神奈川西支店の佐竹さん。
その後、徒歩で長谷寺へ移動。阿弥陀堂、大森さんが製作した地蔵菩薩像の安置された地蔵堂を見学。特別参拝として、大森さんが修復した観音堂にある本尊・十一面観音菩薩の足にも触れることができる。当日の朝祈とうした特別参拝用のお札も授与される。
昼食は、境内の見晴台に隣接する食事処・海光庵で、由比ガ浜のパノラマを見下ろしながら寺のカレーセットが提供される。カレーは、精進の素材で作ったルーと五穀米のご飯のセット。ほかに精進スープ、大根の田楽、サラダ、アイスクリーム、温かい麦茶が付く。
「市民公募のワークショップで、『仏像作りやスケッチを専門家に指導してもらいたい』という声があった。一日で仏像を製作するのは無理だが、仏師の案内で仏像を拝観したらより興味深いツアーになると感じた」と佐竹さん。
開催時間は9時~13時30分。参加費は、昼食付きで1人4,600円。定員は各18人。申し込み方法などはホームページで確認できる。