藤沢北口に、パリさながらにデザインされた店舗で「情熱」をテーマにパンを提供するブーランジェリー「Madame Rouge(マダムルージュ)」(藤沢市朝日町、TEL 0466-86-7713)がオープンして1カ月が過ぎた。
「ヒルサイドパントリー代官山」「パティスリー・マディ」などの都内パン店、「ホテルメトロポリタン」のベーカリーシェフ、パリ修業などを経験したオーナーシェフ、土屋伸明さん(35)が開いた同店。店名の「ルージュ」は仏語で「赤」を意味し、「La Passion du Bon Pain(仏語で「情熱はパンの中に」)」をテーマに本場パリ仕込みのパンを提供する。赤は妻のあかねさんの「あか」、「元気」「魅力的」などの色のイメージから発想した。
昨年4月から鎌倉で暮らす土屋さんだが、「観光客が多い鎌倉ではなく、生活の一部としてパンを味わってもらえる地域密着の店を目指したい」と、藤沢で出店先を探したという。
パン工房を含む店舗面積は19.5坪。外観はパリの街角にあるようなブーランジェリーをリアルに再現。店内は、パンの陳列棚にフレンチスタイルのアイアンを取り入れ、天井に梁(はり)を設けるなど欧風に仕上げた。ガラス越しにはロゴマークにデザインした赤いドレスの女性をイメージしたモード風のトルソーを飾り、交通量の多い通りから目を引く工夫を施した。
11時~12時に焼き上がりのピークを迎えるパンの種類は30~40種類。添加物は使わずフィリングやソースも全て手作りする。看板商品はフランスパン「バゲット・ルージュ」(190円)。「相場価格は250円くらいだが、それより安く設定したのは日常食として毎日気軽に食べてほしいから」と土屋さん。
ほかに、長野県産石臼びき粉を使い「シンプルで飽きのこない味に仕上げた」という食事パン「藤沢ブレッド」(1斤360円)、「外側はホロホロ、中身はしっとりの食感が特徴」という「スコーン」(200円)、黒糖を使った「やさしい甘さ」の「ぶどうパン」(1本380円)などが人気。毎日来店するリピーターも増え、品切れで早めに店を閉める日も少なくないという。
「心も体も笑顔になるような、ここでしか買えないパンを提供したい」と土屋さん。「保存や風味をよくするための添加物を一切使わない『本当のパンの味』を味わってほしい」とも。
営業時間は10時~19時(無くなり次第終了)。日曜・月曜定休。