鎌倉市川喜多映画記念館(鎌倉市雪ノ下2、TEL0467-23-2500)で現在、企画展「淀川長治 映画の部屋」が開催されている。
淀川長治さんは、テレビ番組「日曜洋画劇場」の映画解説者として活躍。番組の最後にサヨナラを3回繰り返すことから、「サヨナラおじさん」として、お茶の間で広く親しまれた。映画の楽しみ方、興奮や感動、一人のスターを通してみえてくるハリウッドの歴史を独特の語り口で伝えた。
同展では、映画作品に関する淀川さんの解説をパネルで紹介。映画の内容や当時の様子、スターの裏話などを交え展開する。映画ポスター約80点のほか、シュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)との2ショット写真、チャップリンと会ったときのエピソードや直筆サイン本、ウィリアム・ワイラー監督からの手紙など、約300点が並ぶ。
淀川さんは、大正モダン隆興期の1909年、神戸生まれ。幼少から映画館に通いつめ、無声映画をはじめ数多くの映画を見た後、映画会社の宣伝部、「映画之友」の編集長を経て、映画評論家として「日曜洋画劇場」の解説者を32年間務めた。映画ファン交流の場である「友の会」を設けるなど、伝道師としてさまざまな映画の楽しみ方を伝え続けた。1998年逝去。
入館料は、一般200円、小・中学生100円。同記念館の企画展担当者の馬場祐輔さんは「かねてから淀川さんの魅力をふんだんに生かしながら、映画資料をご覧いただける企画展を開催したいともくろんでいた」と話す。「『淀川節』をテレビで見たことのない、若い世代の人の目に触れてほしい。そしていまだみたことのない映画の楽しさに触れて、『みてみよう』と思うキッカケになってくれるとうれしい」とも。
開館時間は、9時~17時。月曜休館(祝日は開館=翌日振替休館)。9月28日まで。