藤沢の遊行寺(藤沢市西富1、TEL 0466-22-2063)で11月27日、「歳末別時念仏会 一ツ火(ひとつび)」が行われる。
法要自体は、前段の「報土入り」(詰時)と後段「御滅灯(おめっとう)」(一ツ火)により構成。後段「御滅灯」(一ツ火)は、本堂内の火が次々に消され、最後にこの大光灯を報土役が消し、後灯を後灯役が消し火打ち石で火を起こす。打ち込まれた火は闇から次第に灯明へと移される。
宗祖一遍上人以来700年の歴史がある法要。自己修行のため、祖師の命日・彼岸会などに当たって一定の期日を定めて念仏ざんまいに専念するもの。お念仏により、光明降り注ぐ「極楽浄土」に生まれ変わった歓喜にひたるこの法要は、本宗独特のものだという。
遊行寺と呼ばれ、親しまれている同寺は時宗の総本山で「藤澤山無量光院 清浄光寺」といい、時宗の法主が遊行上人といわれ「遊行上人がおいでになる寺」ということから、「遊行寺」と呼ばれるようになったという。この法要は、時宗教団にとってもっとも重要な行事とされる。
総本山近侍司の林陽善さんは「普段慌ただしく過ごしている生活から離れ、次第に暗闇になる空間で自己を見つめ、ともされるともしびで新たな気持ちを自分に吹き込んでいただきたい。念仏に包まれ次第に一体となることを実感してほしい」と話す。
17時開場、17時30分法要解説、18時法要開始。