ゲームアプリやネット広告などを展開する面白法人カヤック(鎌倉市小町2)が8月24日、自宅葬に特化した「鎌倉自宅葬儀社」を設立し本格的な活動を始めた。
パンフレットを手にする馬場さん。葬儀業界であらゆる職種を経験したうえで「自宅葬」の需用を実感しカヤックに入社、鎌倉自宅葬儀社でコンシェルジュに
「家族葬など小規模な葬儀の需要が高まる中、故人との思い出が詰まった自宅での葬儀が求められている」と同社の馬場翔一郎さん。葬儀業界で10年以上経験を重ねる中で「かつてのような大掛かりなものではなく家族葬レベルの自宅葬の必要性を実感した」という。
2年前にイベントで知り合ったカヤックの柳澤大輔社長に提案したところ、持ち家率が高い鎌倉との親和性があり地域貢献にも結びつくと判断し事業化が決まったという。
式場などの場合は臨終から火葬まで最短2~3日が一般的だが、自宅では最長1週間程度かけることができる。馬場さんは「特に喪主は忙しさもあり、故人とゆっくりお別れをする時間が取れないケースをたくさん見てきた。自宅ならスケジュールの制約がないので十分な時間を確保できる」と話す。葬儀は専任のコンシェルジュが対応していくため、家族は慣れ親しんだプライベートな空間で時間をかけ過ごした後、故人を送り出すことができるという。
自宅葬では式場費や過度の装飾費、安置料、安置所から式場への搬送料などが不要になり、費用を抑えることができるのもメリットの一つ。分かりにくい印象がある価格も全てオープンにし、3つの基本プランを用意した。近親者だけでのシンプルな自宅葬=55万円、宗教的儀式を含める葬儀=85万円、一般も参加できるお別れの会=135万円。食事の要望があれば別料金で市内の料理人を手配することもできる。
馬場さんは「例えば家族による歌や楽器の演奏を加えるなどアレンジも可能で、手作りの葬儀ができるのも自宅葬ならでは。生前予約を含めすでに本人や家族からの問い合わせを頂いている。鎌倉を中心に湘南エリアにも範囲を広げ、年内には本格的に稼働したい」と抱負を話す。