
新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2)が5月3日、幻の魚「ナミダカサゴ」の展示を館内ウェルカムラウンジで始めた。国内での展示は54年ぶり。
ナミダカサゴは、1971(昭和46)年に伊豆海洋公園沖の水深50メートルで採集され、旧・江の島水族館で飼育観察をおこない、1973(昭和48)年に新種として発表したフサカサゴ科の一種。学名は「Rhinopias argoliba」で、銀色の涙を流すような模様が目元にあることから名付けられた。
今回は、4月29日朝に「さかなクン」から館山の定置網で採集されたという連絡が入り、翌日、新江ノ島水族館に届けられた。スタッフの誰もが生きた個体を見るのは初めてで、「水族館中が一気に沸いた」といい、54年ぶりの生体展示が実現した。
さかなクンは今回の展示に当たり、ナミダカサゴのイラストも寄贈しており、同館ではイラストと共に展示している。
展示している個体については、類似種「ニセボロカサゴ」との形態的な中間的特徴も見られるが、専門家と共に慎重に検討を続けていくとしている。
同館広報担当者は「旧・江の島水族館が報告した魚が半世紀以上の時を経て、再び同じ地で展示できるのは感慨深い。さかなクンの協力にも感謝している」と話す。
9時~17時。入館料は、大人=2,800円、高校生=1,800円、小中学生=1,300円。展示は当面の間。