慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス（藤沢市遠藤）の学生たちが現在、同キャンパス近くの打戻で、地域とつながれるゲストハウス「えんともち」の開業に向けたプロジェクトに取り組んでいる。

「えんともち」開業に向けたプロジェクトに取り組む学生らの活動の様子

　同プロジェクトを立ち上げたのは、同大大学院政策・メディア研究科2年の岡西未来さんと総合政策学部4年の横森翼さん。プロジェクト立ち上げ前の1年間、岡西さんは大学を休学。全国の宿泊施設を巡り、自身でゲストハウスを作りたいと構想を練った。復学後に横森さんと共に同プロジェクトを立ち上げ、地元農家の人たちとの交流や地域行事への参加など、さまざまな活動を通じて地元の人々の温かさや文化的な奥行きに触れてきた。

　施設名の「えんともち」は、同キャンパスがある「遠藤（えんどう）」の「えん」と、ゲストハウスがある「打戻」の由来とされている宇都母知神社（うつもちじんじゃ）の「もち」から名付けた。今では12人の仲間が同プロジェクトに参加し、地域に根ざした取り組みを続けている。　

　同施設には男女別ドミトリーや個室、交流ラウンジのほか、地域住民や学生が自由に活用できるイベントスペースを設ける。地元の農産物を使ってゲストたちが楽しみながら夜ご飯を作ったり、気軽に立ち寄ってお茶を飲みながら語らったりと、日常の中で自然な交流が育まれるような空間作りを目指す。農家の収穫を手伝う体験イベントや地域の店との連携イベントも視野に入れている。

　岡西さんは「この地域の魅力を、もっと多くの人に知ってほしい。そして『えんともち』自体も、その魅力の一つにしていきたい。この場所が、人と人、人と地域がつながれるような存在になれれば」と話す。

　開業実現に向け、現在、クラウドファンディングで協力も呼びかけている。6月30日まで。