
横浜国立大学の留学生を含む学生23人が8月28日、藤沢市菖蒲沢にある三和石産の生コンクリート工場を見学した。
同工場では、製造過程で発生し通常は産業廃棄物となる「戻りコンクリート」をリサイクルし、二酸化炭素(CO2)排出の削減を目指す取り組みを推進している。リサイクルで生産されたセメントは混和材として再利用されており、JIS A 5308の認証も取得。現在は、さらなるCO2削減を目指した技術開発も進んでいるという。
見学会は、文部科学省の「世界展開力強化事業」の一環である「企業訪問プログラム」として行われ、学生たちは「カーボンニュートラル」「サーキュラーエコノミー」をテーマに、リサイクルシステムや工場の技術について説明を受けた後、実際のプラントを見学。現場での作業工程や装置の仕組みについて理解を深めた。
見学後には質疑応答の時間も設け、環境技術への関心を高めた。参加した学生の一人は「現場でリサイクルの仕組みを直接見ることで、CO2削減の可能性を実感できた」と話していた。
三和石産の中田泰司社長は「地域中小企業の取り組みに触れることで、学生たちが環境問題を自分事として考える契機になれば」と期待を込める。