鎌倉中央海岸で6月1日より、鎌倉の大工・楽居(鎌倉市西鎌倉2)が、国産材と自然素材のみを使用し、木組みの伝統工法で海の家「Asia(エイジア)」を建設している。
湘南を中心に一般住居や店舗施工などを行う同社は、伝統工法で建てる「国産材と自然素材の家」にこだわった家作りをする大工集団。同社初の試みとなる「海の家」は、鎌倉の中央海岸で今年8年目を迎える「Asia」。建坪は約100坪。
「Asiaの雰囲気・テイストを最大限に表現する」「国産材を使い、海という過酷な条件にも負けない安全性を考慮する」「来年もほとんどの材料を使えるように」と依頼された海の家は、土台にヒノキ、屋根・野地板には杉、大梁(はり)に松などの国産材を使用。リサイクルを考え外壁に「南京下見」をパネルにしてはめ込む工夫を施しながら、基礎以外は通常の一般住宅と同じような工法で建てられているのが特徴。
内装にも海岸の砂や貝殻、流木を使用して描く「砂紋」をテーマにした「左官アート」でステージの壁を演出するほか、ステージ脇にも竹の木舞(こまい=土を塗る前の下地)を施した土壁を作るなどのこだわりも。
同社棟梁の三浦さんは「海の家と言えども国産の材料を使用し、普段と同じ様な考え方、工法で作っている。鎌倉の古い町並みでも多く見られる工法を取り入れて、長く使えるものに仕上げている。すべて自然のものを取り入れて、ヒノキの間伐材や杉の皮なども無駄にすることなく有効利用している」と話す。
海の家にはビーチギャラリーも併設し、7月には廃材を利用した三浦さんの「壁アート」のワークショップも開催予定。ライブやパーティーなども開催される「Asia」の営業期間は6月28日~8月31日。営業時間は8時~23時。利用料金は1,500円(夕方以降のバータイムは入場無料)。