鎌倉・若宮大路の元町ユニオン近くに3月29日、テークアウト専門の総菜料理店「鎌倉惣菜」(鎌倉市小町1、TEL 0467-50-0449)がオープンした。
同店店内の様子-カウンターの上には手作りの総菜が並ぶ(関連画像)
都内の仏・伊料理店での経験や、フランスの一つ星レストランでの経験を持つオーナーシェフの阿部剛さんは、「第一子の誕生をきっかけに食育への関心が高まった」ことをきっかけに、子育て世代に向けた料理教室、総菜店の開業を決意。「新鮮でおいしい食材が手に入ること、文化的な場所であり、食への関心が高い人が多いこと」を理由に鎌倉という土地を選び、昨年自らも鎌倉に移住。「できるだけ地元の食材を使いたい、地元の方々に愛される店になりたい。店名を聞けば何の店かわかる」ことから店名を「鎌倉惣菜」に決めた。
同店の建物は、1960(昭和35)年から「龍膽(りんどう)」というパブが営業してきた場所。川端康成、小林秀雄、久保田万太郎をはじめとする「鎌倉文士」が集う店として有名だった。数年前に同店が廃業となった後は取り壊しを待つばかりの廃墟状態となっていたが、鎌倉の古民家の再生などを手がける「鎌倉建て主塾」(小町2)塾長の島津健さんの目に止まり、開業の地を探していた阿部さんに声が掛かった。
店舗の改装は、島津さんのアドバイスの下、阿部さん自らが手掛けた。あまりの老廃ぶりに「本当に1カ月半で改装できるのかと不安混じりのスタートだった」(阿部さん)が、同塾の塾生や知人などのボランティアの協力を得ながら完成にこぎ着けた。
店舗面積は約25平方メートル。店頭には、「季節の野菜の白和え」「三浦沖鮮魚の南蛮漬け」「おからバーグ」など、地元の素材を出来る限り使った総菜が毎日10種類以上並ぶ。価格は量り売りが基本で、100グラム=180円~950円を予定。総菜以外にも、阿部さんが料理講師を務める「鎌倉ツリープ」のスイーツや乾物素材なども販売する。
阿部さんは「毎日の食事は血肉となり心身を作るもの。子育て世帯の『もう一品』、一人暮らしの方の『バランスの取れた食事』として、安心して食べられる総菜を提供したい」と話す。また「ゴールデンウィーク明けをめどに弁当の配達(予約制)も開始する予定」とも。
営業時間は11時~14時、16時~19時。日曜定休(3/30・31は臨時定休)。