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鎌倉の風景を考える映画「幻風景」-寺院・海岸などで巡回上映会

古民家の取り壊しや夏のシーン、鎌倉住人の語りなどを織り交ぜた映画「幻風景」

古民家の取り壊しや夏のシーン、鎌倉住人の語りなどを織り交ぜた映画「幻風景」

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 鎌倉市内の寺院や海岸、カフェなどで現在、鎌倉・雪ノ下にあった古民家の取り壊しを通して、鎌倉の風景を考える映画「幻風景」の巡回上映会が開催されている。

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 美術作家・景山健さんが住んでいた築80年の古民家が取り壊され更地になる様子を通じて、住人へのインタビューなどから「今語られる鎌倉の風景や暮らし」を記録した映画。身近にありすぎて気付かず失われていく日常の風景について考え、問題を提起するものとなっている。企画・製作は、鎌倉のアート・ムーブメントを中心とした地域密着型の映像作品などを製作している「らくだスタジオ」。

 2月後半から取材を開始。3月上旬に古民家の取り壊しや住人への取材・撮影、7月後半に記録的猛暑となった夏のシーンを撮影し、9月に完成した。取材対象は、小町通りの魚屋「魚浦」や材木座に残る銭湯「清水湯」など、鎌倉で長年商売を続けている人から、北鎌倉で人力車を引く人や鎌倉野菜を作っている人まで幅広い。太田緑ロランスさんや景山健さんなどが出演している。 

 「この古民家は子どものころにどんな家に住んでいて、どんなことがあったのか話しだしたくなるような安心感があった。そんな『家の記憶』から、人と時間の間合いのようなものを感じとってもらえれば」とスタッフの堀内さん。「今、鎌倉にいて鎌倉の映画を見ているんだとふと気付くような仕掛けをしたくて、市内巡回上映会という形にした。映画を見た人が感じたことを語り出したときにようやくこの映画は完成する」とも。

 鎌倉での上映会後、他都市でも巡回上映を予定。「観光都市という表面的な鎌倉だけではない、深い部分の鎌倉を感じてもらいたい」と、映画祭などへの出品も視野に入れているという。

 上映日程は、10月8日=カフェ「麻心」、9日=稲村ヶ崎海岸、10日=極楽寺「炭の館」、11日=鎌倉市生涯学習センターホール、15日=Dolce far niente、16日=井上蒲鉾鎌倉駅前店、20日=SONG BE CAFE、23日=材木座公会堂、24日=浄智寺、11月3日=鎌倉小学校。入場無料。

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