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えのすいで「三陸の春」展-大船渡から学部移転した北里大の学生が手掛ける

完成したテーマ水槽の一つ。解説文などもすべてラボのメンバーが担当した

完成したテーマ水槽の一つ。解説文などもすべてラボのメンバーが担当した

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 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2)で現在、岩手県大船渡市で学んでいた北里大学海洋生命科学部の学生らが手掛けた水槽「三陸の春、東北のいきものたち」が展示されている。場所はペンギンプール前のテーマ水槽。

展示制作を手掛けた北里大学海洋生命科学部の学生たち

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 深海生物やクラゲの共同研究など、日頃から同館と深いつながりのある同学部。東日本大震災で同学部が置かれていた三陸キャンパスが被災し、相模原に拠点を移した際には、同館が海水や飼育物資の支援に当たったという。

 今回の展示は、将来の水族館職員や博物館職員を目指す学生の育成を目的に、文部科学省の認定を受けた大学の就業力育成事業の一つとして行うもの。「大船渡で学んでいた学生たちが実際の水族館施設を使い、企画から展示・飼育、観賞者の反応まで、さまざまな課題に取り組める好機と企画立案した」と同館企画部の北田貢さん。

 展示を担当したのは、同学部が持つミニ水族館「北里アクアリウムラボ」の運営に参加する3年生11人と昨年参加した4年生、今年から加わった新メンバー。展示生物は東北・三陸地方に棲む生物とし、展示期間が3月であることや甚大な被害を受けた三陸の復興を願う意味も込め、テーマを「三陸の春」と定めた。

 テーマ水槽は幅90センチの水槽6本。「海への旅立ち~シロザケ水槽~」「美しい三陸の証~サンショウウオ水槽~」「三陸の人気者~クチバシカジカ水槽~」などのタイトルごとに12種類の生物を展示。生物は同館や大船渡市の漁協などが協力したほか、ラボのメンバーが実際に三陸に赴き採集したものも含まれる。

 「本物の水族館で展示ができる喜びを感じながら、三陸の豊かな自然と町が早く元のようになってほしいとの思いを込め、メンバー全員誠心誠意取り組んだ」と同ラボリーダーの佐藤亘さん(21)。「私たちが作った水槽を見て三陸に素晴らしい自然があることを知り、三陸の復興を願ってもらえたら」とも。

 開館時間は9時~17時。3月31日まで。相模原キャンパスに移設した北里アクアリウムラボでは、テーマ水槽と連動し三陸の川の生き物を展示する。

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