鎌倉文学館(鎌倉市長谷1)で2月2日、特別企画「愛は言葉だ!文豪のハートにふれるバレンタイン」が始まった。
常設展示室のバレンタイン特別展示。文豪たちの愛にまつわる作品を直筆原稿やパネルで紹介している
通常展示とは別に2011年から毎年バレンタインの時期に合わせ、文学の大きなテーマでもある愛について文豪の作品展示を中心にイベントを開いている。今回も芥川龍之介の随筆「しるこ」をはじめ、夏目漱石や与謝野晶子、太宰治らの著書や直筆原稿などを同館の収蔵資料から選んだ。
期間中はミュージアムショップで来館者全員におみくじの箱を振ってもらい、出た棒に記されている番号によって「文豪の愛の言葉おみくじ」を無料で進呈する。
同館学芸員・司書の斎木菜津美さんは「おみくじには、ときめくもの、心温まるもの、ドキッとするものなど12人の文豪の愛にまつわる言葉が書かれている。吉凶の表記はないが、言葉を見て今の気持ちに照らして自分で判断し楽しめる」と話す。
同ショップでは東京・調布市の武者小路実篤記念館が毎年オリジナルパッケージで発売するモロゾフの缶入りチョコレート「実篤チョコ」を限定販売する。
館内談話室では、鎌倉が舞台になっている三上延さん著「ビブリア古書堂の事件手帖」6作の表紙原画を展示する。談話室は同書がテレビドラマ化された際にロケが行われている。
期間中の土曜・日曜・祝日の13時からは学芸員が展示物の紹介や作家・作品のエピソードなどを語る「文豪の愛にまつわるギャラリートーク」を行う。
斎木さんは「この期間は若いカップルや夫婦連れも目立ち、昨年も来ましたという方もおり、楽しみにしてくださる方が増えてきた。この企画で作家や作品に興味を持ち、実際に読んでいただくきっかけになれば」と話す。
同館では現在、夏目漱石や里見弴、川端康成など作家が日々の暮らしの中で愛用した万年筆、湯飲み、眼鏡、机など身の回りの品を展示した「収蔵品展『作家 身のまわり』」が4月17日まで開かれている。
開館時間は9時~16時30分。月曜休館。入館料は、一般=300円、小中学生=100円。2月14日まで。