茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北1)で4月9日から、「自転車の世紀―誕生から200年、新たな自転車の100年が始まる―展」が開かれる。
「オーディナリー」1884年ごろ(自転車博物館サイクルセンター所蔵)。19世紀後期は前輪と後輪の直径が大きく異なる自転車が製作された。現在のようなチェーンがない
「『人と環境にやさしい自転車のまち』を将来像として掲げる茅ヶ崎の市制70周年を記念して企画した」と話すのは同美術館学芸員の藤川悠(はるか)さん。自転車は1817年にドイツで誕生し200年。茅ヶ崎では日本最古といわれる自転車レースが明治時代に開かれたという縁も。ただし「直接アートではない展覧会は初めて」と、異色の企画展となった。
展示するのは自転車本体、ポスター、ウエアなど約100点。自転車はキッズ向けを含め23点。フランスの名工 ルネ・エルスが製作し造形の美しさから「パリの宝石」と称される「ロンシャン」や造船業を営む佐野末四郎さんが製作した木製自転車なども並ぶ。渡辺航さん作画の人気コミック「弱虫ペダル」の複製原画16点に加え、表紙のイラストカラー複製原画も展示する。
エントランスでは、市内にアトリエを持ち独自の視点でユニークな自転車を製作するサイクル・アーティスト谷信雪さん作の3台を展示。プロペラ付き自転車は同展に合わせ新たに製作した。
期間中は、同15日に「明治の日本における自転車レースと茅ヶ崎」、同16日に「茅ヶ崎が生んだプロサイクリスト別府史之について」、6月3日に「ミヤタ自転車と茅ヶ崎の関わり」などをテーマに、それぞれトークイベントを開く。5月4日は関連イベントとして、当日配布される地図を手に市内のチェックポイントの写真を撮影して巡る「ちがさき自転車フォトラリー」も開く。
藤川さんは「歴史、競技、生活、芸術、未来の姿などから紹介し、人々の生活様式に劇的な変化をもたらした自転車と社会との密接な関わりをひもといていく。発明家や職人たちの創意工夫が詰まった『自転車の世界』をお楽しみいただければ」と話す。
開館時間は10時~18時(入館は17時30分まで)。月曜休館(5月2日休館)。入館料は、一般=700円、大学生=500円、高校生以下無料。6月4日まで。トークイベントなどの申し込み方法はホームページで確認できる。