湘南モノレール(鎌倉市常盤)は10月30日、ホームページ上で多角的な視点からの投稿で同路線をアピールするウェブマガジン「ソラdeブラーン」の連載を始めた。
大船駅と湘南江の島駅の8駅6.6キロを約14分で結ぶ同路線は年間約1030万人が利用しているが、観光客への認知度は高いとはいえない
新潮社のサイト「Webでも考える人 東京近郊スペクタクルさんぽ」の取材で同路線の取材に訪れたエッセイスト宮田珠己さんとの出会いが、同マガジン誕生のきっかけ。同社広報課の石川育代さんは「今までモノレールに関心の無かった人に興味を持っていただき、実際に乗りに来てもらいたいと考えていた当社の尾渡社長と意気投合、今回の企画が持ち上がった」と振り返る。
宮田さんが旧知のライターや作家らに「読んで面白い、モノレールをもっと好きになる、日常の風景が『異次元』になる」をテーマに投稿を依頼、それぞれの視点からあらためて同路線や沿線の魅力、不思議を引き出す。月曜~金曜の毎日発信し公開から約1カ月が過ぎたが、アクセス数も伸びているという。
佐藤淳一さんの「乗らずにはいられない、懸垂式モノレールの魅力」、宮田珠己さんの「モノレールはどのくらいジェットコースターなのか」、村田あやこさんの「路上に潜む異世界を求めて~湘南モノレール沿線 路上園芸探索~」。太田和彦さんの「大船で飲む」、八馬智さんの「土木構造物としての湘南モノレール鑑賞術」、皆川典久さんの「地形マニアと鉄ちゃんの凸凹乗車体験記~湘南モノレールに乗って~」などユニークなタイトルが並ぶ。
同路線は世界的にも数少ない懸垂(サフェージュ)式のため、ほかのモノレールには無い左右の揺れの大きさや高低差40メートル以上というアップダウンが特徴で、「ジェットコースターのようなアトラクション」とも称される。ページを飾っているイラストの「MR.ブラーン」「Miss.ユラーン」「ノラーリ」「クラーリ」も、懸垂式をイメージしたオリジナルキャラクターだ。
石川さんは「インスタやフェイスブックではなく、あえてホームページを使って発信した。ただしいつもとは少し違った角度から見ていただくところがポイント。面白いと思ったら、実際に乗って楽しみながら新たな魅力に触れてほしい」と話す。