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新江ノ島水族館で相模湾産の「コトクラゲ」展示開始 79年ぶりに再発見

江の島沖水深130メートルで発見したコトクラゲ。写真は現在の展示水槽での様子

江の島沖水深130メートルで発見したコトクラゲ。写真は現在の展示水槽での様子

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 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2、TEL 0466-29-9960)が8月5日より、江の島沖で採集された非常に珍しいクラゲ「コトクラゲ」の展示を始めた。新種記載時の生物採集場所である「原記載地」での採集は79年ぶり。

江の島沖水深130メートルで発見したコトクラゲの発見調査時の海中画像。

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 「コトクラゲ」は有櫛(ゆうしつ)動物で、クシクラゲの仲間。1941(昭和16)年に昭和天皇が江の島沖水深70メートルの底生生物調査で採集され、翌年の1942年に京都大学の駒井卓博士によって「Lyrocteis imperatoris」と命名され、新種記載された。

 その後、2005(平成17)年に鹿児島県野間岬沖で67年ぶりに採集されるまで記録がなく、近年になって沖縄県恩納村沖、駿河湾などから採集記録があったが相模湾では記録がなく、79年ぶりの原記載地での採集となった。

 同館広報の井上麻子さんは「展示個体は2020年7月30日に、江の島沖水深130メートルの岩礁域で行った水中ドローンによる調査で発見・採集された。今回の成果は、昨年度開始した産業用水中ドローンメーカー『FullDepth』(東京都台東区)との深海探査共同プロジェクトの一環。採集例が極めて少ないコトクラゲの原記載地での再発見は、学術的にも価値がある」と話す。

 今後も水中ドローンで、これまで調査が不十分だった相模湾100メートル以深の岩礁域の調査を続けていくという。

 開館時間は9時~18時。入館料は大人=2,500円ほか。8月7日~8月16日の入場にはホームページからの事前予約が必要となる。

「コトクラゲ」の展示期間は個体消滅まで継続予定。

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