藤沢市片瀬江ノ島でウエディング事業を行うKANON wedding(藤沢市片瀬海岸1、TEL 0466-52-7316)がフォトウエディング専用自動車を開発し、営業開始から1カ月で15組の撮影を行った。
フォトウエディング車「Kanon Photo Cruiser」とオーナーの浅井加奈さん
フォトウエディング専用自動車「Kanon photo cruiser」は昨年7月に新潟県燕市の専門業者に依頼し、今年6月26日に納車。以来、新型コロナ禍の中でも密にならず、ストレスフリーのフォトウエディングを行っている。
オーナーの浅井加奈さんは「もともと江ノ島でビーチ挙式や江島神社の和婚、新江ノ島水族館の結婚式事業を行っていたが、昨年来、新型コロナ禍の影響で予約オーダーがほぼゼロとなり、新たな展開として本事業を着想した。Kanon photo cruiserはフォトウエディングの準備がしやすいバックヤード機能を備えられるよう、内装をフルオーダーした」と話す。
車は国産の大型ワゴン車を改造した特注品で、天井に大型の換気扇を設置。車内に手洗いシンクとトイレ、冷蔵庫などを備え、重量のある和装着物をつるせるように頑丈な梁(はり)が備えられているのも特徴。
同専用車を使ったプランでは、極限まで感染のリスクを減らすため、事前の試着を省略することもできる(希望者には事前にサロンで試着が可能)。客とメールのやり取りで選定したウエディングドレスや和装を複数積み、車内で着付けからメイクアップ、ヘアアレンジまで行い、撮影に臨めるという。
浅井さんは「一生に1度の結婚式や披露宴が感染拡大を避けるために軒並み中止になり、悲しい思いをするカップルのために何かできないかと考えた。こういうときだからこそ、ウエディングを諦めず写真という形で記録に残すことで、記憶に残るウエディングになる」と話す。「ウエディングにはヘアメークや着付け師やカメラマンなど、多くのプロフェッショナルが集結して表現をする場所でもある。これらの仕事も創出したかった」とも。
これまでは新郎新婦2人だけで撮影するのが主流だったフォトウエディングだが、新型コロナ禍以降は両親や友人と一緒にフォトウエディングを撮りたいという要望も増えているという。「専用車にはおむつ替えや授乳のできるスペースもあり、近県のあらゆるカップルに対応できる。来月には千葉県から依頼を受け、館山を撮影して回る予定も入っている」と話す。
車の外観は市内在住の美大生4人がデザインし、カッティングシートで仕上げた。浅井さんは「友人の娘さんに腕を振るってもらった。オンラインが続く大学生たちにとっても、実績や思い出になれば」と話す。
フォトウエディング車プランは、シンプルなビーチフォトで7万9,800円。ドレス代、メークなどの支度代含む。