藤沢市内で焼き肉店「焼肉＆韓国宮廷料理ヨンドン」や精肉店「肉屋喜平」など5店舗を展開するエムワイが現在、系列5店舗で「一頭買い」した能登牛を販売している。

プレミアム能登牛を選ぶ吉田社長

　能登牛は出荷頭数が極めて少ないことから「幻のブランド牛」とも呼ばれる和牛。同社社長の吉田亘良さんは「能登牛を一頭買いすることで復興支援をしたいと考えた。2月下旬に石川県志賀町の販売会を訪れ、出品72頭中のうち最高値のA5ランクプレミアム牛をその場で買い付けた」と話す。

　能登牛は3月から、韓国宮廷料理ヨンドン本店、韓食菜炎ヨンドン、湘南肉問屋、3+3CAFEで「能登牛メニュー」として提供するほか、肉屋喜平で販売。

　吉田さんは「東日本大震災のとき、自店舗も営業もままならない経験をした。能登半島地震の状況を知る度に『何かできないか』と考えていた。現地の生産者を応援することが最良と考え、石川県のJA全農に継続的に能登牛を仕入れたい旨を伝えたところ、喜んで協力してくれた」と経緯を話す。

「現地の競りが始まる前から『その日一番の能登牛を買う』と決めていた。高値が付けば、それだけ現地で被災した酪農家の支援になる。藤沢の皆さんに一番おいしい能登牛を味わってほしいという思いもある。『食からうれしいことをする』を理念に掲げているので、今後も継続して被災地を応援する企画を考えていきたい。まずは能登牛を味わってほしい」とも。

　能登牛メニューの一例は、ユッケ風月見肉（1,350円）、芯々（1,600円）、ランプ（1,600円）、シャトーブリアン（100グラム5,000円）など。

　一頭買いの買い付けは当面続ける予定。