干潮時に海底の砂州が露出し陸地と島が地続きになる「トンボロ」を歩くプログラムが6月22日に開催された。主催は新江ノ島水族館・なぎさの体験学習館。
同プログラムは2012(平成24)年から行っている体験学習プログラムで、これまでに30回以上開いてきた。当日は地元湘南地域をはじめ千葉県や東京などから28人が参加。同館に隣接する「なぎさの体験学習館」でトンボロの仕組みについて学んだ後、実際にトンボロを歩た後に海の生物などを観察し、江の島に上陸した。
トンボロはイタリア語で、日本語では「陸繋砂州(りくけいさす)」。フランスの世界遺産モン・サン・ミシェルや西伊豆町の堂ケ島などが有名。
藤沢市観光協会は5月10日~6月22日のうち5日間、トンボロの出現に合わせて江の島北緑地江の島北緑地広場の先に仮設階段を設置。仮設階段設置時のみ上陸記念として「デジタル版 トンボロ記念証」を発行するなどしてPRに取り組んでいる。
なぎさの体験学習館チーフキュレーターの笠松舞さんは「子どもは生き物に、大人は地形や貝殻に興味を持つ人が多かった。それぞれの知りたいことを伝えられたのでは。外に出て実際に自然を見ると、いろいろな疑問や発見が見つかる。気になることがあれば、誰でも遠慮なく施設まで質問に来てほしい」と話す。
茅ケ崎から参加した女性は「普段あまり見ない貝殻が見られた。カニなども見られたので、子どもたちも喜んでいる」と話す。
トンボロは8月ごろまで日中に現れるが、本年度の体験学習プログラムは今回が最終。