
新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2)イルカショースタジアムで6月16日、同館で誕生した雄のミナミアメリカオットセイ「アトム」の1歳を祝う「おたんじょうび会」が行われた。
手作りTシャツで参加した井上咲杜さん(左)と母親の奈津穂さん(右)
アトムは同館で初めて誕生したミナミアメリカオットセイで、普段はバックヤードで生活している。普段はほとんど人前に出る機会はないが、この日はトリーターに付き添われて登場し、観客席前を堂々と歩いてお披露目した。アトムは中央ステージに移動し体重を測定。生まれたときの体重は4.48キロ、昨年12月1日の命名式時には15.4キロ、今回の発表では15.5キロだった。アトムは卒乳しており、イカナゴを毎日1キロ食べられるようになっている。
当日は、トリーター手作りの氷のバースデーケーキがアトムに贈られた。アトムの顔に似せた氷のケーキは食紅で色付けされ、ヒゲはアトムの好物である魚のイカナゴが使われた。会場からは「かわいい」という声が多く聞かれた。
入館者先着300人に記念ステッカーも配布。今月14日・15日には、各日10人限定の事前予約制でオットセイバックヤードツアーを行い、トリーター(展示飼育スタッフ)がアトムの暮らす獣舎や調餌室を案内した。
母親とおそろいのアトムイラストを施した手作りTシャツを着て来館した井上咲杜さん(11)は、昨年の命名式や今回のバックヤードツアーにも参加し、アトムの成長を見守ってきた。井上さんは「まだ小さくてはしゃいでいたが、スタッフの言うことを聞いて大人のようにしっかりしてきた」と話していた。
同館が販売しているアトムのイラストが刺しゅうされたTシャツを着ている観客の姿も見受けられた。館内のスタジアムカフェでは、6月14日~16日の3日間限定で提供した「アトムバースデーサンデー」を求めて行列ができた。
担当トリーターの長野翔平さんは「大勢の人がお祝いをしてくれてうれしい。普段はバックヤードで生活しているが、これからもアトムの成長を見てもらう機会をたくさん作っていきたい。まだ子どもなので好奇心旺盛で、私たちも観察していて学ぶことや驚きがたくさんある。これからもアトムを温かく見守ってほしい」と呼びかける。