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白い「トルコナス」、茅ヶ崎での生産開始から10年 地域に根づいた食材に

トルコナスを栽培する生産者たち

トルコナスを栽培する生産者たち

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 茅ヶ崎生まれの野菜「トルコナス」が出荷を始めてから今年で10年目を迎えた。現在、最盛期を迎えている。

最盛期を迎えているトルコナス

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 トルコナスは、光沢のある白い外皮とずっしりとした大ぶりなサイズが特徴のナス。そのユニークな見た目と存在感から、メディアでも度々報道され徐々に認知が広がってきた。

 生産しているのは「さがみMT茅ヶ崎」の若手農家3人。2016(平成28)年に「縞(しま)むらさき」ナスと共に出荷を始め、翌年からはトルコナス一本に絞って出荷を継続している。

 トルコナスは当初、直売所向けに開発された品種で、大量生産には不向きとされていたが、生産者の「新しい作物の栽培・販売を開拓したい」との思いから市場出荷を決断。種苗メーカーによれば、当時、市場出荷は全国でも初めてだったという。

 栽培初期は栽培方法も確立されておらず、手探りでの栽培だったが、次第に「風」が最大の敵と気付いたという。葉が果実に触れて傷がつくのを防ぐため、畑を背の高いソルゴーで囲む独自の栽培法を編み出した。

 販売面でも苦労があり、白いナスを見て「食べ方が分からない」という声が多く寄せられた。生産者たちが自らさまざまな調理法を試し、店頭POPやメディアを通じて活用方法を提案し続けた。その努力が実り、2021年にトルコナスは神奈川ブランドに認定された。現在は市内の学校給食にも使われ、地域に根づいた食材として親しまれている。

 生産者の一人は「いつか『ナスと言えば白いもの』と言われるように、これからも生産に力を入れていきたい」と話す。

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