介護と仕事の両立をテーマにした家族介護教室「介護と仕事の両立~がんばらない介護のススメ~」が11月15日、小和田公民館(茅ヶ崎市美住町6)で行われた。
同教室は、茅ヶ崎市委託事業として小和田公民館と松浪地区地域包括支援センターさざなみが共催した無料イベント。「楽する介護」の著者で、老人ホーム専門介護カウンセラーの小山千夏さんを講師に迎え、30人が参加した。
当日は、事前に介護への備えを進める「ケア活」の重要性を軸に、介護と仕事を両立させるために「自分がどうしたいか」を参加者が自分自身に問う目的で講演が進められた。ケア活は、介護が始まる前から家族で話し合い、制度やサービスを知り「いざという時に後悔しない介護」に備える活動を指す。
序盤に制度やサービスなどの説明があった後、同教室の主要テーマである「自分自身の状況を見つめ直す」ワークや、参加者同士の対話を通じたミニシェア会、質疑応答なども行われた。参加者の多くは茅ヶ崎市や湘南エリア在住で、50代を中心とした介護中の世代が目立った。 会場では、孤立しがちな介護の現場において、参加者同士が悩みや現状を共有する時間が持てたことに対し、「今後の活動の羅針盤になった」などの声も聞かれた。
参加した茅ヶ崎市在住の佐藤夢美さんは「ワークを通して『自分がどうしたいか』『自分の人生を生きてもいい』と自分へ問いを向け、隣の方とシェアする貴重な機会だった。人に話すことで気持ちが楽になった」と話していた。
小山さんは「介護や育児において正しい知識や方法を求めがちだが、それよりも『自分がどうしたいか』という問いかけや、『自分の人生を生きていい』という考え方が心を非常に楽にしてくれる。介護を突然の出来事ではなく、家族の心に寄り添い、前向きな選択肢として考えるきっかけになればうれしい」と話す。