湘南エリアの4つ駅ビル「ラスカ」を運営する湘南ステーションビル(平塚市宝町1)が6月26日、平塚中央公民館(追分1)で100回目となる「ラスカ・チャリティーコンサート」を開催した。地域での文化芸術活動を応援し、文化の発信基地を目指す同社のメセナ活動の一環。
今回のテーマは「華やかにロマンティックに」。平塚ラスカの「星の広場」のテーマ音楽を作曲した、「オンド・マルトノ」(鍵盤とリボンを備える電子楽器)奏者の原田節(たかし)さんら、これまでの同コンサートで活躍したソリスト3人を迎えた。4月25日から販売を開始した前売りチケットは約1カ半で完売。当日は約700人が来場し、原田さんが今回のコンサートのために作曲した「コンセルト・ア・サプリヴォワゼ」や、チャイコフスキー・ラフマニノフらの作品5曲の演奏を楽しんだ。
同社は1989年、当時の平塚ラスカ・落合社長の「単なる企業メセナでなく、湘南の文化発信地としたい」との発案でクラシックコンサートを開始。中村紘子さんを迎えた11回目から、「市民の財産として次の世代に伝えていくことができれば」と、入場料を全額平塚市の文化振興基金に寄付する「チャリティーコンサート」になった。
このほか1994年には、平塚市初の「スタンウェイ・フルコンサートピアノ」をラスカホールに設置。湘南エリアの若手演奏家に演奏の機会を提供する「ミニコンサート」や、母親のリフレッシュと子どもに生演奏にふれあう機会を提供する「母と子のためのコンサート」など、定期的なロビー・コンサートを企画している。
同社営業部の上遠野(かとうの)泉さんは「これからも、毎日の中に自然と文化を楽しんでもらえる時間と場所を提供していきたい」と話す。