神奈川中央交通(本社=平塚市八重咲町6)は、今年3月から実証実験を行ってきた自転車の前面積載が可能な路線バスの運行を、9月1日から本格運行に移行した。車両後部や内部に自転車を積載するバスは北海道や群馬などで採用しているが、前面に積載する形式は日本では初めて。
同社はこれまでも、バス停付近に自転車駐輪場を設置するなど、公共交通機関の利用促進による環境負荷の軽減を目指す取り組みを実施してきたが、今回の取り組みは「地球温暖化抑止対策、自転車の飲酒運転や傘を差しながらの片手運転などによる交通事故の防止に寄与するもの」(同社広報部)という。
運行エリアは、湘南海岸に並行して整備されたサイクリングロードがある茅ヶ崎駅南口からの循環1路線、辻堂駅南口発着の3路線。6台導入し、バス1台につき自転車2台の積載が可能。自転車の積み降ろしは利用者が行う。
実証実験で回収したアンケートでは、「買い物」「レジャー」での利用が65%を占めた。「また利用したいか?」の問いには「利用したい」が76%だった。そのほか、「坂道が多い路線に走らせてほしい」「長い路線でもやってほしい」「便数を増やしてほしい」などの要望が寄せられた。
料金は大人、小児、距離、時間帯などに関係なく1台1回100円。