平塚市美術館(平塚市西八幡1、TEL 0463-35-2111)で現在、「カー・デザインの歴史-NISSAN情熱と機能の美-」が開催されている。公立美術館での開催は初めて。
「モデラーの情熱が込められている」というフェアレディZ Z34実物大クレイモデル。
第1会場では、スカイラインC10型や生産台数が少なく「宝石」と呼ばれた初代シルビア、イタリアのピニンファリーナに依頼したセドリックのデザイン画、全長4メートルのフェアレディZ Z34の実物大クレイモデルなど、ほぼ初公開となる貴重なデザイン画やモデル類、映像を展示。国産各メーカーのデザインも年代を追って俯瞰(ふかん)し、戦後のものづくりやデザインを広く振り返る内容となっている。
第2会場では、地球環境や社会構造の変化を踏まえた今後の車社会のあり方を探る。24日からは、電気自動車のデザインの可能性を示唆する「ランドグライダー」のクレイモデルも展示する。
「美術館ではかねてから地元にゆかりのある展覧会を行いたいと考え、3年前から日産自動車に開催・借用の打診を行い、準備を進めてきた」と同館学芸員の勝山滋さん。「『湘南』とはいえ江ノ島や烏帽子岩などのない平塚は、戦後に誘致した工場によって成り立っている商業都市。そういう意味では平塚らしい意義深い企画展」。開幕から20日余りが経過したが、「一人ひとりの鑑賞時間が長く、『懐かしい』という世代と『かっこいい』という世代に分かれても、展示に満足してくれているようだ」(勝山さん)。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。月曜休館。観覧料は一般800円。11月29日まで。「日産OBかたちの会」による座談会も開催(10月31日=フェアレディZ、11月28日=スカイライン)。