藤沢駅から程近い場所にあらわれる、まるで別世界の入り口のようなエントランス
提供:紅茶専門店 PRI・ORI・TEA 制作:湘南経済新聞
2022年11月13日、藤沢駅前から徒歩8分の住宅街の入り口。紅茶好きの集える、まるで紅茶の王国、「紅茶専門店 PRI・ORI・TEA」(プリオリティー、藤沢市鵠沼花沢町11-6、TEL 0466-24-4680)がオープンしました。紅茶の歴史や文化、世界の紅茶の最新トレンドを学ぶとともに、輸入元であるスリランカとインドのパートナーシップを守り続けながら「本当に美味しい紅茶」を伝道師として伝え続ける、ティー・イソブチカンパニーの新たな挑戦を取材しました。
木のぬくもりに包まれるようなティールーム。20人ほどがゆったりと過ごせる
藤沢・湘南の地から日本全国に紅茶文化を伝え、2019年に急逝した紅茶研究の第一人者、磯淵猛さん。その想いを受け継ぐ会社「ティー・イソブチカンパニー」が藤沢の地で新たな挑戦を始めました。これまでの輸入や卸だけではなく、本当の意味での紅茶文化の底上げ・情報発信をこの藤沢から目指すといいます。代表取締役社長の古川淳一さんにお話を伺いました。
ティー・イソブチカンパニー代表の古川です。当社は日本の紅茶業界を40年間にわたり牽引してきた紅茶研究家「磯淵猛」により創業されました。紅茶の輸入販売、コンサルティングなど紅茶のトレードと啓蒙活動を目的として1994年に設立されました。彼の情熱をみなさんにお伝えしたいという思いでこれまで活動してきましたが、いままで紅茶の輸入と卸を中心にしていたので、一般の方に直接ご提供できる機会がありませんでした。そこで、紅茶ファンのみなさんはもちろん、これまで紅茶に興味がなかった方にも本当の紅茶をご紹介し、みなさんの笑顔を見られるような場を作りたいと考えたんです。
天井が広く、開放感のある空間で、お茶と、お茶とマリアージュされたお菓子、食事が楽しめる
「思いとこだわりの詰まったお店と感じます。いつ頃から計画されていたのですか?」
2021年の2月頃に動き出しました。スリランカからの「直輸入」をこだわりのポイントとして営んできており、紅茶の専門店やホテルやレストランに鮮度の良い茶葉をお届けするため、ある程度の倉庫・加工場機能も持たせられる広い物件が必要でした。さらに、直接の消費者の方へのご紹介できる場を作りたいと考えていたので、郊外や交通の便の悪いところは除外しました。
しかし、コロナ禍に端を発した湘南移住ブームの余波から藤沢市内をはじめ湘南エリア全体で物件が品薄になっており、物件探しは難航しました。市外も含め湘南エリア全体で検討し、一時はもともと磯淵猛が創業をした鎌倉駅すぐ近くの物件に決める直前まで話が進んでいたのですが、予定していた土地から遺跡が出るなどの理由で白紙に。そこであらためて藤沢で物件を探しはじめて、昨年夏に出会ったのが今の物件だったんです。
階段を登り切るとあらわれる、ウッドの廊下。窓の古民家建具の造作が美しく際立つ
「細いエントランスから開ける演出。木で組まれた建物の雰囲気が素敵です。建物にはかなりこだわられたのでしょうか?」
こだわりました。窓枠には、京都で手に入れた古民家の建具を使い、天然木をふんだんに使用して、居心地の良い空間づくりにこだわりました。この建物をお願いした一級建築士の方も紅茶からのご縁で、紅茶を納めせていただいている蒲田のティールーム「お茶とお菓子まやんち」のオーナー、八代まゆみさんのご伴侶である八代国彦さんにお願いさせていただきました。彼が設計した「まやんち」の雰囲気が、私が思い描くティールームのイメージとすごく近かったんですね。
新店舗「プリオリティー」では、キッチンも広くとり、美味しい紅茶はもちろん、紅茶を引き立てるケーキやお食事もご用意できるようにしています。また、最新のエスプレッソマシンも導入しました。とはいえコーヒーを淹れるのではなく、「エスプレッソティー」を召し上がっていただくためです。
紅茶の茶葉に圧力をかけて抽出するエスプレッソティーは先行して、当社で運営するキッチンカーでもお出ししています。もしかしたら、すでに飲んだことのある方もいらっしゃるかもしれません。お待たせせずに淹れたてをご提供できる上に、味わい深いのが特徴です。
基本的にティールームのメニューは、アレンジをしないスタンダードなメニューを取り扱います。産地ごと、茶葉ごとの本来の味わいを楽しんで、それがお料理やお菓子にどう寄り添うかを体感してほしいですね。
ティールーム横のライブラリースペース。豊富な蔵書と、貴重なアイテムが所狭しと
「ティールーム横の素敵な空間、そして棚の素敵なアイテムが気になります。」
ありがとうございます。ティールーム横の個室は、紅茶好きな方がその探求を深められるようなライブラリースペース兼、セミナースペースです。古今東西の紅茶に関する文献を集めるほか、創業者の磯淵の書籍も閲覧できます。また、今後はここでセミナーなどを開催したいですね。
セミナーを通し、磯淵猛が伝えてきた紅茶の奥深さ、楽しさを知って、それを日本や世界にさらに伝えていってくれるような伝道師を育てて、紅茶で新しく挑戦したい方の拠点にしたいんです。
そして棚にあるのは、当社の販売アイテムです。美味しい紅茶をぜひご自宅でご家族やご友人に振舞ってほしい。そのための茶葉と、抽出に必要なポットなどのアイテムを揃えました。紅茶を淹れるのに最も大切なのは技術や道具ではなく、茶葉の品質です。なので、高品質の茶葉を作り輸出してくれるスリランカやインドのビジネスパートナーも大切にしていかなければと考えています。
紅茶を淹れるために欠かせない銅製のケトルと、ティーポットたち
「茶葉の質というキーワードが気になりました。深く聞かせてください」
当社の茶葉はインドやスリランカからの輸入であり、創業者が長い年月で信頼と実績を積み上げてきた独自ルートです。これら、インドやスリランカの茶園にいる方達も豊かになっていかなければ持続可能なビジネスとはいえないと思います。
安い紅茶がなぜ安いかというと、どこかで誰かが無理をしているということ。それは流通の現場かもしれないし、生産者の生活かもしれない。品質のしっかりとした美味しい紅茶をフェアな価格で買うこと自体が、社会貢献そのものなのだと、私たちは考えています。
ひとときを彩る、お気に入りのティーカップを愛でる。それもまた紅茶の楽しみのひとつ
「紅茶への想いがひしひしと伝わってきました。最後に、紅茶やプリオリティーへの興味が出てきた方へメッセージをお願いいたします」
皆さんに本当の紅茶の美味しさを広めていくことが私たちティー・イソブチカンパニーのミッションです。みなさんの身近な嗜好品でいうと、紅茶はワインに近いのかもしれません。産地や作り手の想いがダイレクトに仕上がりを左右します。
まずは「茶葉の品質」。「茶葉」が悪いと結局はどんなに良い形で淹れても美味しい紅茶には成り得ません。渋い・薄い・嫌な味が口に残る。そんなふうに紅茶をイメージしている方がいたら、それは「本来の紅茶」ではない紅茶と出会ってしまった結果なのだと思います。
この「プリオリティー」では、ちょっとしたパーティーや少人数のブライダルなど、人生の思い出を作る場の提供も積極的に行い、そこで最高の紅茶を提供できればと考えています。それは、限られた趣味人の世界だった本物の紅茶を、誰しも気軽に楽しめるようにした磯淵猛の紅茶を、みなさまの思い出の場に寄り添わせたいという願いからです。
この「プリオリティー」からたくさんの笑顔を生み出していけたらと思っています。
紅茶とともに過ごす、最も基本的で、最も上質な時間の提案がある、それがプリオリティー
メール:info@tea-isobuchi.com
住所:〒251-0023神奈川県藤沢市鵠沼花沢町11番6号
tel:0466-24-4680
営業時間:11:00~18:00(L.O. 17時30分)
ランチタイム:11:30~14:00(ランチL.O.13時30分)
休日:火曜日