茅ヶ崎の梅の名所として知られる高砂緑地（茅ヶ崎市東海岸北1）で2月12日、毎年恒例の「梅まつり」が開催される。主催は海岸地区地域づくり運営委員会。

閑静な住宅地に広がる高砂緑地の回遊式庭園

　高砂緑地は明治の有名な新派俳優、川上音二郎の別荘だった場所。大正時代には元日本火薬会長の原安三郎さんが所有する別荘「松籟（しょうらい）荘」となり、1984（昭和59）年に市が敷地を購入。旧原別荘時代の回遊式庭園をそのまま生かした日本庭園に、茶室・書院「松籟庵」を構えて開園した。松籟は「松のこずえに吹く風音」を意味し、茶の湯の世界では、茶釜の湯が激しく煮え立つ音を松葉の擦れ合う音になぞらえて松籟と呼ぶ。

　梅まつりは今年で28回目。会場では2500杯分の甘酒を無料で振る舞うほか、地域の子どもたちが中海岸太鼓の演奏を披露（11時・12時・13時）。焼きそば、綿菓子、豚汁、フランクフルトなどの模擬店や花卉（かき）、ガラス工芸、陶芸などの売店が出るほか、市地域活動支援センター「みらまーる」が石焼き芋を販売する（売り上げ全額は同センターに還元）。庭園の一角にある松籟庵では、300人分のお茶席を用意する（1人300円）。

　同委員会の竹村保則会長は「地域コミュニケーションの場になればと開催し、今年で28回目を迎える。昨年は雨で中止となったが、過去に雨天中止となったのは2回だけ。今年は好天に恵まれれば」と話す。

　開催時間は10時～14時30分。雨天の場合は松籟庵のお茶席のみ開催。