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茅ヶ崎で「田口雅巳カイコテン」-未完のふすま絵の公開も

「真徳寺障壁画(遊行寺の四季)」(真徳寺蔵)

「真徳寺障壁画(遊行寺の四季)」(真徳寺蔵)

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 茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北1、TEL 0467-88-1177)で現在、湘南にゆかりのマルチアーティスト、故・田口雅巳さんの作品を紹介する美術展「アノ世とコノ世と湘南と 田口雅巳カイコテン」が開催されている。主催は藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町美術展実行委員会。

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 田口さんは1936(昭和11)年東京生まれ。1945(昭和20)年に平塚市、鎌倉郡片瀬町(現・藤沢市)に疎開。1985(昭和60)年には寒川町に転居し自宅兼アトリエを構えた。田口さんは湘南の風景を多く描く一方、立体造形、版画、随筆、俳句など多方面に才能を発揮。10月14日の「鉄道の日」に合わせ、1981(昭和56)年より江ノ電百貨店(現・小田急百貨店藤沢店)で毎年開いてきたスケッチ展は、74歳で逝去した2010年の追悼展まで続いた。

 タイトルの「カイコテン」には、回顧展、怪個展、懐古展などさまざまな意味合いを含ませたもの。展示作品は、湘南の詩情漂う風景画に加え、真徳寺(藤沢市西富)より依頼された未完のふすま絵や構想を描いたラフスケッチ、世相や人間社会を風刺した造形作品など約100点を展示。展覧会限定メニューとして、同館2階の「SUN cafe」では田口さんが好んだ赤や原色などの色使いをイメージした「彩りキッシュプレート」(1,000円)も用意する。

 田口さんの作品について、「江ノ電や湘南の風景画を描く印象を持つ人が多いようだったが、今回の展示で、世相や人間社会を風刺した造形作品も制作していたことを初めて知ったという声も聞かれた」と同実行委員会委員長の古谷雅洋さん。「マルチアーティストである田口さんの世界を、この機会にぜひ鑑賞してほしい」とも。

 開館時間は10時~17時(入館は16時30分まで)。無料。期間中の休館日は月曜と2月14日。3月4日まで。

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