神奈川県農業技術センター(平塚市上吉沢)が開発した新品種のトマト「湘南ポモロン」が4月以降、県内直売所を中心に販売される。
同センターで1995年から開発を始めたトマト。神奈川の野菜の主要品目であるため、育成を行いトマトの需要拡大・地産地消の推進を図ることを狙いとした。形は長円筒形で、生食・加熱調理の両用途に利用可能。色は濃桃色の「湘南ポモロン・レッド」と橙黄色の「湘南ポモロン・ゴールド」の2色がある。
日本で主に作られているトマトは生食用のトマトで、熱するとすぐに煮崩れるなどの理由から加熱調理には向かない。一方、イタリアなど海外で主に作られているトマトは加熱調理用のトマトで、生で食べてもおいしくない。湘南ポモロンは、「生で食べても、加熱調理しても、おいしく食べられるトマト」という。「生食トマトと加熱調理トマトの両方の特徴をバランスよく持たせることに苦労した」と話すのは、同センター生産技術部野菜作物研究課の保谷明江さん。
商品名は、育成地である「湘南」とイタリア語で「トマト」を意味する「ポモドーロ」、果実の長円筒形の「ロング」を組み合わせたもの。野菜ソムリエコミュニティかながわ、県施設野菜組合連合会の協力の下、ネーミング候補を絞り、最終的に県知事が決めた。
「現在、生産者に試作をお願いしている状況。県内の生産量も少量だが、今後は生産量の拡大を図っていく予定」とも。