茅ヶ崎市美術館(茅ヶ崎市東海岸北1、TEL 0467-88-1177)で4月27日から、「井上安治生誕150年記念 絵師たちの視線(まなざし)-安治・清親・光逸-」が開催される。
総点数約180点の同展。生誕150年となる早世の絵師・井上安治(1864~1889)の代表作である「東京真画名所図解」を中心に、その師である小林清親(1847~1915)と安治の弟弟子となる茅ヶ崎ゆかりの土屋光逸(1870~1949)の作品を紹介する。
井上安治は小林清親の最初の弟子。師が得意とした、遠近法や院泳法を取り入れた西洋画風な空間表現を継承。今回代表作である「東京真画名所図解」全134図のほか3点を展示。小林清親は1876(明治9)年、従来の浮世絵とは全く異なる作風による「東京名所図」の連作を刊行。「最後の浮世絵師」とも呼ばれる。代表作「東京名所図」を中心に約20点を展示。土屋光逸は1886(明治19)年、小林清親の内弟子となる。1932(昭和7)年から「新版画」作品を刊行。「新版画」とは浮世絵同様に、版元の下、絵師・彫師・摺師の分業体制で制作するもの。1922(大正11)年以降、茅ヶ崎在住。代表作「東京風景」(全12点)を含め約20点を展示。
「近代日本の風景画の展開をテーマとして企画展を開く上で、茅ヶ崎ゆかりの土屋光逸の兄弟子であり、本年生誕150年となる井上安治を採り上げることにした。安治と光逸をつなぐ存在として両者の師・小林清親の作品も展示し、三者三様の視線『まなざし』の相違をご覧いただきたい」と同館学芸員の西内裕詞さん。「特に版画ファン、明治以降の風景画に興味を持っている方、昔日の東京の姿に関心のある方にお越しいただければ」とも。
開館時間は10時~18時。入館料は一般300円ほか。6月8日まで。期間中の休館日は4月28日・30日、5月7日・9日・12日・13日・26日、6月2日。