横浜中華街で営業していた「中国茶房・悠香房」が8月、鎌倉の一軒家(鎌倉市扇ガ谷)に移転し再オープンした。
中国で製作されたインテリアで統一された店内。大きな窓の向こうには緑が広がる
同店は2012年、中国に10年間滞在した金子正さんが横浜中華街の北門通りに開いた中国茶専門カフェ。メディアにも取り上げられ人気店となっていたが、来店客にもっとゆったり過ごしてもらえる場所を探していた。
そこで、より理想的な環境を求め選んだのが鎌倉の緑あふれるエリアだった。化粧坂切り通しや海蔵寺に続く道沿いを駅から15分ほど歩いた場所にある一軒家で、周辺に商業施設は見当たらない。
門を入り小道を進むと玄関の前にウッドデッキがあり、小階段を上って店内に入る構造。店舗面積は90平方メートルで、席数は25席。1階は開放感のある大きな窓の外に緑が広がり、中国製のインテリアを配した店内は上質で落ち着いた雰囲気。2階には個室も用意する。
茶盤と専用茶器を使い本格的な中国大陸茶を楽しめるスタイルで、飲み方はスタッフがレクチャーする。ドリンクは、青茶「鳳凰単叢 蜜蘭香」(1,300円)、緑茶「黄山毛峰」(1,200円)、白茶「寿眉」(900円)など30種類以上。ジャスミンティーロールケーキ(500円)などのスイーツ類、中国茶とデザートが付いた「飲茶ランチプレート」(1,200円)も用意。茶葉や茶器、雑貨、アクセサリー類の販売も行っている。
オリジナルのお菓子と共に3種類のお茶を飲み比べながら中国茶のおいしさや楽しさを知ることができる「鎌倉のお茶会」をはじめ、「茶房音楽会」「茶房撮影会」などイベントも開いている。
金子さんは「自分がお客さまだったらと思いを巡らせて、たどり着いた場所がここだった。駅からは少しあるが、探しながら緑の中を散策するにはちょうどいい距離。中華街時代の常連さんも『以前も良かったけれど、より悠香房さんらしい店になった』と言ってくださった」と話す。「知的好奇心を刺激すること、ここに来たからこそ体験できる非日常、そんな大人の楽しみがたくさんある。中国茶は何杯も飲めるので、ゆったりと時間を過ごしてほしい。お茶を切り口に中国文化や庶民の生活の様子なども伝えていければ」とも。
営業時間は10時~18時。火曜定休。