NPO法人「ルートカルチャー」は9月23日、日本各地で制作・公演を続けてきた鎌倉発の演劇作品「花音(カノン)」の最終奉納公演を鶴岡八幡宮で行う。現在、同公演の運営資金支援をクラウドファンディングで募っている。
同作品は2013年、北鎌倉の浄智寺(じょうちじ)で初演が行われ、鎌倉出身の女優・鶴田真由さんと、同じく俳優で同NPOのメンバーでもある井上幸太郎さんによる二人芝居。音楽形式の一つである「カノン」にかけ、言葉を繰り返すような脚本が特徴。鎌倉にまつわる言葉や神話などもベースとなっている。
初演の後、伊勢神宮勾玉池舞台での式年遷宮奉納公演、別府温泉の永久別府劇場、琵琶湖のほとりにある佐川美術館を巡回、9月13日には栃木県益子の八幡神社で奉納公演が行われる。出演者やスタッフが現地の祭りやイベントに参加し、歴史や文脈をストーリーに加えながら作品を進化させてきた。初演の観覧者にとっては、その変化も見どころの一つとなる。
制作・音楽・衣装などを同NPOのメンバーが担当し、ゲストに現代雅楽の東野珠実さんを迎える。当日は境内でかがり火がたかれる幻想的な雰囲気の中、奉納公演が行われる。
現在、公演の運営資金をクラウドファンディング「iikuni」で募っている。奉納公演のため一般向けのチケット販売はないが、支援者には金額により一般観覧席や特別席などの特典も用意している。
同NPOの墨屋宏明さんは「花音は、人や自然との関わりもストーリーの中で展開されていく。伊勢神宮では夏至の日に奉納公演を行ったが、鶴岡八幡宮は秋分の日の日の入り時にかがり火の中で行われる。鎌倉の自然に囲まれた公演はとても貴重な体験となるはず。ぜひ観覧席付きのご支援を」と呼び掛ける。
上演時間は17時30分~19時。クラウドファンディングでの支援期間は今月21日まで。