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鎌倉でブックフェスタ 独立系出版社など出展、作り手と読者つなぐ場に

会場となる古民家の入り口は江ノ電の小さな踏切の脇にある。秋の2日間、ゆったりとしたスペースで本に浸ることができる

会場となる古民家の入り口は江ノ電の小さな踏切の脇にある。秋の2日間、ゆったりとしたスペースで本に浸ることができる

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 鎌倉の「garden&space くるくる」(鎌倉市由比ガ浜2)などで10月8日・9日、こだわりを持った本を制作する出版社が集まり、書籍を展示販売する「かまくらブックフェスタ」が開かれる。

港千尋著「ヒョウタン美術館」は表紙、カバー、帯も含め全ページがワックスプラス加工で透けている。造本デザイナーでもあり発行元の「牛若丸」を主宰する松田行正さんが手掛けた

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 「本作りに没頭していると視野が狭くなりがち。刺激を受けたり、勉強したりできる機会をと考えたのがきっかけ」と話すのは、同イベントを主催する出版社「港の人」の井上有紀さん。「読者やほかの出版社など普段は出合えない人と話ができ、出店者にも楽しかったと言っていただけた」ことで継続することになり、今回が6回目。 

 出店するのは、一人や家族など少人数でさまざまなこだわりを持って本作りに取り組んでいる出版社が中心。初参加の「里山社」や「編集室屋上」も女性が一人で運営し、自分の作りたい本を求めている人に届けるという一貫した姿勢が特徴だという。

 編集未経験から一人で立ち上げた吉祥寺の「夏葉社」、創立36年でロシア文学一筋の「群像社」、本のオブジェ性を探求している「牛若丸」をはじめ、「赤々舎」「via wwalnuts社」「ECRIT(エクリ)」「北と南とヒロイヨミ」「西日本新聞社出版部+忘羊社」「羽鳥書店」「編集工房ノア+ぽかん編集室」「りいぶる・とふん」などが出店。

 地元からは「港の人」をはじめ、大町の「ブックスモブロ」が古書を、由比ガ浜の「MODERATO ROASTING COFFEE」がコーヒーやケーキ、サンドイッチなどを販売する。

 由比ガ浜公会堂ではトークイベントも開く。8日は昨年福岡で行われたイベント「ブックオカ」で2日間11時間語り合った西日本新聞出版部の末崎光裕さんと忘羊社の藤村興晴さんを招き、「本屋がなくなったら、困るじゃないか~鎌倉ぐびぐび会議」を行う。

 9日は「著者による造本」と題し、詩人の平出隆さん、雑誌「オルタナ」編集者の郡淳一郎さん、文筆家の扇野良人さんが、平出さんをはじめとする著者自身が手掛けた装丁や造本についてトークセッションを行う。

 井上さんは「大きなマーケットではない分、個性的な本が多く、思いのこもった本と出合うことができる。作り手から直接制作秘話を聞くこともできる。ゆったりとした古民家の空間で、本や本を作る人との楽しい時簡に浸っていただければ」と話す。

 開催時間は両日とも10時~18時、入場無料。トークイベントの開催時間は両日とも14時30分~16時(開場14時)、参加費は1,000円。申し込み方法はホームページで確認できる。

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