藤沢市アートスペース(藤沢市辻堂神台2)で2月11日から、松本市美術館所蔵作品展「縁、自然そして草間彌生」が開かれる。
洋画家・田村一男「白月」1974年。毎年のように信州を訪れ多くの作品を残している
藤沢市と松本市は1960(昭和35)年から姉妹都市として半世紀以上にわたり観光や文化芸術などで交流を続けてきたが、2002年に松本市美術館が、2015年には藤沢に同スペースがオープンしたことから初めて美術展での交流が実現した。
同展では同美術館が所蔵する2400点の作品の中から54点を3つのエリアに分けて展示する。第1章では「多彩な作家と作品」と題し、石井柏亭や大貫悌二、阿部展也、松澤宥、吉澤伝などジャンルを越えて信州ゆかりの作家の作品を展示。第2章では「自然に魅せられて」をテーマに、田村一男、加藤水城、河越虎之進など信州の豊かな自然に魅了された作家の絵画作品を集めた。
第3章は、松本生まれで2016年度文化勲章を受賞、米誌「タイム」の2016年版「世界で最も影響力のある100人」にも選ばれている草間彌生さんを特集した「草間彌生-生命讃歌」。20代前半から近年制作された絵画や版画、立体作品などさまざまなジャンルの作品が並ぶ。2009年から描いている大型の絵画シリーズ「わが永遠の魂」の「果てしない人間の一生」も展示する。
2月11日は同美術館の小川稔館長を招き「松本市美術館の歩み」、同25日には同美術館学芸員・渋田見彰さんが「草間彌生が生まれた理由(わけ)」と題し講演する。
同スペース学芸員の小林絵美子さんは「松本と姉妹都市でなければ実現しなかった企画だけに、まずは市民の方に見ていただきたい。展示を通して松本や松本市美術館に興味を持っていただき、実際に足を運ぶきっかけになれば」と話し、「特に草間彌生の『わが永遠の魂』の『果てしない人間の一生』も無料で鑑賞できるのでぜひ来場を」と呼び掛ける。
開館時間は10時~17時(土曜は19時まで、入場は閉館30分前まで)。月曜休館。入場無料。講演の申し込み方法などはホームページで確認できる。3月12日まで。