漫画「包丁人味平」などで知られる漫画家ビッグ錠さんの回顧展「ビッグ錠のわが町とマンガ展」が2月17日、湘南台駅地下イベント広場(藤沢市湘南台1)で始まった。主催は湘南台地区文化創造推進協議会。
大ヒットした「包丁人味平」の原画。湘南台に引っ越してから描いた作品。迫力ある画面を間近に見ることができる
ビッグ錠さんは1939(昭和14)年に生まれ、湘南台に引っ越して45年になる。ヒット作である「包丁人味平」(牛次郎さん原作)は引っ越し後の1973(昭和48)年から4年にわたり「週刊少年ジャンプ」に連載された。グルメ漫画の先駆けとなり、解説を付けて料理対決を行うスタイルはその後のテレビ番組などにも影響を与えたといわれている。
ビッグ錠さんは湘南台地域経営会議の議長や湘南台のマスコットキャラクター「ゆめまる」のデザイン、地域をあげて年に1回開かれるライブイベント「ShowなんだいDEショー」のロゴやイラスト制作など湘南台の街とも密接に関わってきた。
「湘南台は比較的新しい街で文化施設や大学などはあるが、これだというアピールが弱かった」と話すのは、湘南台市民センターの中川紳一さん。「こんな文化人がいるということを発信したいと考えていたところ、先生からもお話をいただき実現した」と続ける。
同展では「包丁人味平」をはじめとする作品の原画などを時系列で展示しているほか、貸本屋時代の漫画誌、ニューヨークのハーレム在住時の作品や地域イベント用に描いたイラストなど約80点を展示。19日には漫画家の倉田よしみさんと佐藤輝さんを招き「グルメマンガ家たちのグルメ会議」と題してトークショーが開かれた。同22日には浜野ケイ子さんのミュージックライブ、同26日には漫画家の川崎のぼるさんや南波健二さんを招いて「昭和のマンガあれこれ」について語りサイン会も開く。
ビッグ錠さんは「会場は毎日6万人が行き交う駅の地下通路。若者がダンスの練習をしている横でホームレスの人が寝ていても何もトラブルが起きないくらい湘南台はとても良い街。皆さんがそれを再認識し、今回の展示が町の活性化につながるきっかけになれば」と話す。
開催時間は12時~19時。入場無料。2月26日まで。