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新江ノ島水族館、アオミノウミウシの「手」を使う捕食行動を発見

アオミノウミウシによるカツオノエボシへの捕食行動(写真提供=新江ノ島水族館)

アオミノウミウシによるカツオノエボシへの捕食行動(写真提供=新江ノ島水族館)

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 新江ノ島水族館(藤沢市片瀬海岸2)が、東海大学生物学部生物学科(北海道札幌市)、東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所(三浦市)との共同研究で、アオミノウミウシの新たな捕食行動を発見した。

アオミノウミウシ

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 アオミノウミウシは、カツオノエボシなどの猛毒クラゲを捕食し、その毒を自らの防御に利用することで知られている。今回の研究では、アオミノウミウシが側方突起である「ミノ」をまるで「手」のように使い、魚やクラゲを捕まえて食べる行動をとることが明らかになった。

 研究チームは、新江ノ島水族館でアオミノウミウシの飼育や行動観察を実施。その結果、シラスをはじめとする魚類やクラゲなど、これまで知られていなかった多様な生物を捕食することを確認した。併せて、捕食の際にミノを巧みに使い、獲物を捕獲する動作も観察されたという。

 これまで、アオミノウミウシのミノは主に防衛目的で用いられると考えられていたが、今回の発見は捕食にも利用されることを示唆している。研究チームは「この発見は、アオミノウミウシの食性の多様性を示すものであり、食物連鎖の新たな一面を解明する手がかりとなる」としている。

 研究の成果は3月17日発行の科学誌「Ecology」に掲載された。

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