先月出版された「かまくら楽食日記・特盛」(廣済堂、1,050円)の原画展「井上智陽イラスト展・かまくら楽食裏日記」が、鎌倉のカフェレストラン「湘南倶楽部」(鎌倉市小町2、TEL 0467-22-1914)で開催されている。
同書は著者3人が鎌倉のランチを自腹で食べ歩き、「おすすめ」の店101店と甘味店など40店をスケッチと文章にまとめ紹介したもの。会場では、同書の原画のほか、今年春に刊行された「鎌倉謎解き散歩」グルメページの原画や11月刊行予定の「おいしいスイーツの事典」(成美堂出版)の原画など、壁面約120点、スケッチブック9冊などを展示している。
イラストを担当した井上智陽(ちぃ)さんは、書籍表紙・ポスターなどのイラスト、ロゴ・広告などのグラフィックデザイン、小学校や保育園での工作教室講師など活動の場は多岐にわたり、食べ歩きのウェブサイト「かまくら楽食日記」のイラストは2000年から描き続ける。掲載するにあたり写真ではなくイラストにこだわったのは、「店側が取材だと気付きにくい」(ちぃさん)という理由から。取材時には、オーダー後料理が運ばれると同時にスケッチ、その場で彩色まで行うという。画材は鉛筆と透明水彩絵の具を使用。
今回の原画展には数々の「秘密」を盛り込んだ。「特盛の表紙に使われたちらし寿司は、本には店情報を掲載していない。表紙の秘密や、『かまくら楽食日記』のスタート店『ア・リッチョーネ』のスケッチ時のエピソードなどを紹介している。絵に付いているアドレスに空メールを送ると解説が自動返信されるしかけなど工夫を凝らした」(ちぃさん)という。
営業時間は11時30分から夕暮れまでで、土曜・日曜は20時まで。火曜・第3水曜定休。ポストカードやサイン本の販売も行う。11月30日まで。