鎌倉文学館(鎌倉市長谷1、TEL 0467-23-3911)は10月6日から、鎌倉にゆかりのある文学者たちの手紙を展示する特別展「鎌倉からの手紙 鎌倉への手紙」を開催する。
旧前田侯爵家の別邸として建てられた異国情緒豊かな「鎌倉文学館」。春と秋には庭園にバラが咲き誇る。
展示するのは、郵便制度が整備された明治時代以降のもので、夏目漱石、芥川龍之介、川端康成、太宰治、中原中也、三島由紀夫、萩原朔太郎、堀辰雄、大佛次郎、澁澤龍彦のほか、映画監督の小津安二郎など約100点の手紙。同館によると、「手紙はプライバシーのものだが、文学者のものはひとつの作品になっているものが多い。そんな手紙を魅力的なコミュニケーション手段として伝えたい」という。
会場では、「愛する人へ」「創作の道」「鎌倉に集う文士たち」「旅によせて」「響きあう二人」の各章に分けて手紙を展示。夏目漱石が書いた手紙には、「大仏の御腹のなかへは御父さまもまだはいった事がない、御前方はいい事をした。御父さまも海へはいりたい。東京のうちは静だ、下飯坂さんの端書は受取ったろう。八月七日」といった、鎌倉に遊びに行っている娘に宛てたものが含まれる。また、太宰治が、当時芥川賞の選考委員をしていた川端康成に宛てた「芥川賞をください」という内容の長い手紙も公開予定。
開館時間は9時~16時30分。月曜休館。観覧料は、大人=400円、小中学生=200円。12月13日まで。