9月25日に姉妹提携を発表した江ノ島電鉄(藤沢市片瀬海岸1)と京都市内で「嵐電」を運行する京福電気鉄道(京都市中京区)は「鉄道の日」の10月14日、江ノ電鎌倉駅をメーン会場、嵐電嵐山駅を第2会場に調印式を同時開催した。
江ノ電・嵐電共通デザインの姉妹提携記念乗車券。江ノ島と寺社を背景にした各線の車両写真も印刷されている。
鎌倉と京都という日本を代表する古都を舞台に事業展開する両社は、1990年に観光ポスターを共同制作するなど、これまでも旅客誘致を目的とした交流を続けてきた。グリーンとクリームを基調とした控えめな配色の車両、併用軌道区間を有するなどの共通点があり、2010年には江ノ電が全線開通から100周年、嵐電が開業100周年の節目にあたることから今回の提携を決めた。資本や業務など経営上の提携は行わず、営業活動での連携となる。江ノ電広報によると、「IC乗車券の普及により鉄道会社の垣根を越えた相互乗車は常識となったが、国内の鉄道同士の姉妹提携は例がない」という。
調印式当日から2011年3月末まで、互いに相手車両のカラーリングを施し、江ノ電の車両は「嵐電号」、嵐電の車両には「江ノ電号」とヘッドマークを掲げた記念電車を運行。車両には各線を代表する1000形(江ノ電)と600形(嵐電)が選ばれ、内部には相互の沿線各所の名所写真を暫時掲示する。
記念乗車券の発売と共通イメージキャラクターの一般公募も14日から開始。キャラクターは、子どもから大人まで親しみやすい優しさやかわいらしさ、江ノ電・嵐電がイメージできるものなどを審査基準にする。応募用紙は両社ホームページからダウンロードできるほか、江ノ電主要駅と嵐電(四条大宮・嵐山)で配布する。最優秀賞1人、優秀賞2人に賞金・賞品を贈る。採用キャラクターを配した記念グッズの販売も予定し、売上金の一部はエコ活動の一環として「緑の募金」に寄付する。
そのほか、沿線スタンプラリー(2010年3月予定)をはじめ、各種共催イベントも予定している。